Rhoキナーゼ阻害薬ファスジルが、全身麻酔下手術後の認知機能障害に及ぼす脳保護効果と、脳内炎症や血液-脳関門に及ぼす影響を、雄性老齢ラットを用いて検討した。生後18か月の老齢ラットに吸入麻酔薬セボフルランを2時間吸入させ、その間に開腹肝部分結紮術を行った。モリス水迷路試験とFear Conditioning testを手術前及び手術後に行った。術後7日目に脳を灌流し、脳浮腫を評価するためにwet/dry比を測定した。血液-脳関門の評価のために、エバンスブルーの漏出量を測定した。現在収集したデータの解析中であり、研究成果を示すには今後さらに数か月を要する見込みである。
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