研究課題
2021年度からのデータ収集を目指して倫理委員会の承認を得るなど準備を進めてきたが、新型コロナ肺炎の蔓延下において患者との接触が必要となるデータ収集を開始するのは適切ではないと判断し、データ収集を見合わせている。2021年度は、腹部大手術を受ける患者において術中の呼気終末二酸化炭素分圧と患者予後との関連を調査し、呼気終末二酸化炭素分圧低値の患者において術後死亡が多いことを明らかにし、学術論文に発表した:申請者らの病院で全身麻酔による腹部大手術を受けた患者を対象とし、術中の平均EtCO2値<35 mm Hgの患者をlow EtCO2と定義して年齢、米国麻酔科学会身体状況分類、性別、腹腔鏡手術、緊急手術、出血、平均動脈圧、手術時間、手術の種類、慢性閉塞性肺疾患を調整したうえでlow EtCO2と90日死亡率との関連を調査したところ、low ETCO2は90日死亡率の上昇と有意に関連した(調整ハザード比、2.2;95%信頼区間、1.2~3.8;P = 0.006)。さらに、そのメカニズムを明らかにするため術中の呼気終末二酸化炭素分圧と術後臓器障害との関係を調査し、学術論文執筆中である。覚醒下開頭術は術中に患者を覚醒させ脳機能評価を行うことで脳機能の温存と病変の最大限の切除を可能にする方法だが、覚醒時の覚醒不良により充分な脳機能評価が行えない場合がある。我々は、覚醒下開頭術中の覚醒不良の要因を調査し学術論文に報告した。さらに、新型コロナ肺炎蔓延下における外科手術の実態調査(COVIDSurg Collaborative)に参加し、英語論文を報告した。それ以外に、術後の深部静脈血栓発症状況に関する多施設調査、術中の呼気終末二酸化炭素分圧と術後悪心嘔吐との関連の調査を行い学術論文として発表している。
4: 遅れている
新型コロナ肺炎の蔓延下において患者との接触が必要となるデータ収集を開始するのは適切ではないと判断しているため。
すでに研究開始に必要な倫理委員会の承認がおり、UMIN-CTRへの研究登録を行ったが、新型コロナ感染症蔓延の状態を鑑み患者リクルートは中断している。我々研究グループの保有しているデータベースから術前術後の日常生活動作の変化を明らかにする研究に方向性を転換し検討を始める予定としている。
2020年度に入る前から新型コロナ肺炎の流行が起こっていた。新型コロナ肺炎の蔓延下において患者との接触が必要となるデータ収集を開始するのは適切ではな いと判断し、2021年度からのデータ収集を目指して準備(倫理委員会の申請など)を行うのみとした。 2020年度内に研究開始に必要な倫理委員会の承認がおり、2021年度から研究を開始する予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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