研究課題/領域番号 |
20K09249
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
北野 敬明 大分大学, 医学部, 教授 (20211196)
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研究分担者 |
新宮 千尋 大分大学, 医学部, 准教授 (30295191)
徳丸 治 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (40360151)
松本 重清 大分大学, 医学部, 准教授 (90274761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 局所麻酔薬 / 抗酸化作用 / フリーラジカル / ラジカル消去能 / 電子スピン共鳴 |
研究実績の概要 |
令和3年度は,4種類の局所麻酔薬(mepivacaine,lidocaine,bupivacaine,dibucaine)について,以下の9種類のフリーラジカルに対する直接的な消去作用の評価を行った;hydroxyl radical,superoxide anion,tert-butyl peroxyl radical,tert-butoxyl radical,ascorbyl free radical,singlet oxygen,nitric oxide,DPPH,tyrosyl radical。 4種類の局所麻酔薬は,いずれもhydroxyl radicalとascorbyl free radicalを濃度依存的に直接消去する作用を示した。しかし,superoxide anion,tert-butyl peroxyl radical,nitric oxide,DPPHに対してはいずれも直接的消去作用を示さなかった。一方,singlet oxygen,tert-butoxyl radical,tyrosyl radicalについては,直接的な消去作用を示すものと示さないものがあり,局所麻酔薬によって差異があることが確認された。局所麻酔薬によって直接消去するフリーラジカルに差異があることはこれまでに報告されておらず,病態に応じた麻酔戦略や周術期管理を考える上で,重要な所見であると推察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに,4種類の局所麻酔薬(mepivacaine,lidocaine,bupivacaine,dibucaine)について,以下の9種類のフリーラジカルに対する直接的消去作用の評価を完了した。本研究の当初の計画に照らして,概ね順調に進捗していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度に当たる令和4年度には,培養細胞を用いて上記4種類の局所麻酔薬の抗酸化作用を細胞レベルで評価する。並行して,成果を論文として取り纏め,国際専門誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行が続いているため,予定していた学会への参加が難しかった。また,一部の消耗品が品薄となり,入手が困難であった。このために執行できなかった経費は,次年度に使用することとする。
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