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2021 年度 実施状況報告書

麻酔関連薬剤の血管内皮グリコカリクスに対する影響および保護物質の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K09252
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

西和田 忠  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20649165)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードグリコカリクス / アグリン / 癌細胞 / セボフルラン
研究実績の概要

前年度までにヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)の発育が悪く研究がうまく進まないため、癌細胞を用いた検討に切り替え、麻酔薬による癌細胞のグリコカリクスに与える影響と増殖能等に与える影響について調査した。まず、グリコカリクスが発育に関与していると報告されている肝細胞癌細胞株HepG2を用いてセボフルランによる影響を検討したところ、セボフルラン2%暴露によるHepG2への抑制効果と、グリコカリクスの一種であるAgrinの低下を観察した。
さらにウェスタンブロットによりAgrin発現の測定を行おうと予備実験を行ったが、実験に値するバンドが検出できなかった。
Recombinant Human Agrin Proteinを用いて、セボフルラン2%暴露によるHepG2の抑制作用が、Agrin投与によってキャンセルされるかを調査したが再現性が得られなかった。
HepG2は集簇性が高くフローサイトメトリーを用いた研究を行いにくいこと、最近口腔癌細胞株におけるAgrinの作用についての報告があったことから、より扱いに慣れている口腔癌細胞株HSC-3を用いた研究に切り替えた。まず、セボフルラン2% 6時間暴露が、HSC-3のviabilityを低下させることをMTT assayにて確認した。次にセボフルラン2% 6時間暴露によるHSC-3に対する細胞傷害性をLDH assayを用いて確認した。
今後、フローサイトメトリーを含めた検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画作成段階ではカルタヘナ法に該当する薬物の使用は考慮していなかったが、研究経過で必要となったRecombinant Human Agrin Proteinがカルタヘナ法に該当した(その後該当から外れた)ため、研究計画や施設外P1実験室認定の事務手続きが必要となった。特にP1実験室申請のために揃えなければならない物品の納入がCOVID-19の影響で大幅に遅れたため、一旦研究中断を余儀なくされた。
加えて、そのAgrin暴露による研究が仮説通り進まなかったため、研究計画の見直しを必要とした。
また、COVID-19重症患者の診療に従事する必要があり、当初の計画通りには本研究にエフォートを割くことが困難であった。

今後の研究の推進方策

HSC-3を用いてセボフルラン2%暴露によるAgrinへの影響をELISAで調査するとともに、フローサイトメトリーやウェスタンブロットを用いて評価する。細胞増殖能への影響もフローサイトメトリーやBrdUを用いたELISA等を用いて調査する。
さらにAgrin添加の環境におけるセボフルランの影響についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

カルタヘナ法に該当する薬物を使用するために申請期間が生じ、実験計画に遅れが生じた。また、COVID-19診療のために研究に遅れが生じたことも理由の一つである。
Recombinant Human Agrin Proteinやフローサイトメトリーに用いる試薬の購入等に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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