神経因性疼痛の病態発現に寄与することが示唆されている硫化水素と過分極活性化陽イオンチャネル(HCNチャネル)の連関について検討した。培養後根神経節細胞を用いた電気生理学実験および蛍光イメージングにより、硫化水素が一酸化窒素産生を増強し、グアニル酸シクラーゼを介して過分極活性化陽イオンチャネル(HCNチャネル)の活性化を引き起こすという新たなチャネル活性化機構が明らかとなった。さらに硫化水素は過分極刺激からの膜電位の回復相の増強を引き起こすことも確認できた。本研究によって硫化水素が後根神経節細胞の興奮性をHCN チャネル活性化を介して調節している可能性が示唆された。
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