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2023 年度 実施状況報告書

麻酔中の脳波による鎮痛モニタリング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09257
研究機関関西医科大学

研究代表者

萩平 哲  関西医科大学, 医学部, 教授 (90243229)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード脳波バイコヒーレンス / 侵害入力 / 麻酔
研究実績の概要

本研究は脳波のバイスペクトル解析から得られるパラメータから麻酔中の侵害入力の有無を評価できるかどうかを明らかにしようとしている.バイスペクトル解
析とは周波数解析で得られた2つの周波数成分間の非線形的相互作用(QPC; quadratic phase coupling)の程度を調べる解析法である.QPCの程度を示す指標は
バイコヒーレンスと呼ばれる.揮発性麻酔薬や静脈麻酔薬であるプロポフォールによる麻酔中の脳波のバイスペクトル解析では周波数-周波数平面上の対角線付
近の4Hzあたりと10Hzあたりに2つのピークが生じる.
先の研究では執刀時にこれらのピークが消失し,3μg/kgのフェンタニル投与により前値に復帰することが示されており,本研究では術中にピーク高が予め規定された状況まで減少した時に1μg/kgのフェンタニルを投与し,前値に復帰するかどうかを調べた.投与5分前,フェンタニル投与時,投与5分後の3点でのこれらのピーク高を比較し,同時にBIS値,収縮期血圧,心拍数も比較した.本研究の仮説はピーク高が減少した時にフェンタニルを投与するとピーク高が前値復帰する,というものであるため,統計処理はフェンタニル投与時に比べ,投与5分後のピーク高は有意に高くなる,かつ,それは投与5分前と同等である,というものになる.この統計処理を行ったところ,全ての場合について5分後には有意な上昇が認められ,同等試験において1項目のを除いて同等という結果を得た.同時に循環系のパラメータには有意な変化は認められなかった.
2つのピーク高は循環系のパラメータよりも鋭敏に鎮痛不足を示す指標であることが示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度,論文執筆を行い投稿していたが,統計処理の部分を含め修正が必要であることが判明し,現在再投稿の準備中である.本年度中のacceptを目指している.サブの研究も進行中である.

今後の研究の推進方策

前述にようにデータ解析の方法を再検討し論文の修正を行い再投稿しているところである.今年度中にはacceptされることを目標にしている.また,サブの研究も完遂を目指している.

次年度使用額が生じた理由

論文がacceptされていないため,出版費など今後使用する額が未使用となっている.
また,サブの研究に関しても未使用分がある.

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公開日: 2024-12-25  

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