研究課題/領域番号 |
20K09273
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
中澤 春政 杏林大学, 医学部, 准教授 (10458888)
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研究分担者 |
辻 大介 杏林大学, 医学部, 助教 (00826498) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敗血症 / ミトコンドリアDNA / ミトコンドリア障害 |
研究実績の概要 |
2022年度は、敗血症による炎症の全身への波及において主たる機序のひとつである血中ミトコンドリアDNA(MtDNA)の上昇について研究をおこなった。血中MtDNAの増加は、ミトコンドリア形態異常とその修復機構に伴い、ミトコンドリア内でMtDNAが過剰に産生され、それが細胞間質、そして細胞外、血液中へと漏出することで生じると考えられる。そして、血液中に漏出したMtDNAはDAMPsとして全身炎症の負のスパイラルを引き起こすことで敗血症を増悪させることが推測される。今年度は、敗血症モデルマウス腓腹筋において、細胞間質のMtDNAの増加が認められるかの検討を行ったが、細動間質でのMtDNAの増加を同定するには至らなかった。原因としては、敗血症マウスの腓腹筋でのミトコンドリア分画および細胞質分画の分離がしっかりと行えなかった点が原因と考えられる。組織のホモジナイズのプロトコールを改訂して2023年度に再度検証するほうしんである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
細胞間質へのミトコンドリアDNAの漏出を検出するための実験において、ミトコンドリア分画と細胞質分画の分離がうまくできなかった為、時間を要している。現在はホモジナイズの方法を調整して実験を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施が遅れているので、共同研究者の助言を仰ぎながら、進めていきたい。 まずは、細胞間質へのミトコンドリアDNAの漏出で明らかにし、その後CoQ10の投与によりそれが抑制されることを検証する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は実験が計画通りに進行しなかった為、新たな試薬などの購入が必要とならなかった為、予定より使用額が少なかった。2023年度には、実験中の状態を観察するためのモニターや呼吸管理のための呼吸器を購入する為、繰り越し分の助成金を使用させていただく予定である。
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