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2020 年度 実施状況報告書

急性膵炎に対するChymaseによる病態解明とChymase阻害剤の創薬化研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09277
研究機関大阪医科大学

研究代表者

米田 浩二  大阪医科大学, 医学部, 講師 (70531896)

研究分担者 谷口 高平  大阪医科大学, 医学部, 講師 (70779686)
高井 真司  大阪医科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード重症急性膵炎 / キマーゼ / キマーゼ阻害薬 / 肥満細胞 / ハムスター
研究実績の概要

重症急性膵炎は蛋白分解酵素阻害薬などが多数臨床試験が行われているものの、明らかな治療効果は示されておらず、新規治療薬の開発が求められる。研究代表者はこれまでにアンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換するキマーゼの機能解析及び、キマーゼ阻害薬の有効性の検証を進めており、肝線維化、脂肪肝炎、薬剤性肝障害、劇症肝炎との関連を報告してきた。しかし、これまでにキマーゼと急性膵炎の病態における役割は明らかにされていない。そこで急性膵炎におけるキマーゼの病体生理学的役割と、キマーゼ阻害薬の治療薬としての可能性の検証を行なっている。
現在までに、ハムスターにLアルギニンを用いた急性膵炎モデルを用いて、既報に従い1.5g/kg及び3.0g/kgのLアルギニンを投与した後の血中リパーゼ値、炎症関連因子の遺伝子発現の比較を行なった。血中リパーゼ値、MMP-9,MPO,TNF-αの遺伝子発現は3.0g/kgにおいて優位な上昇を認めた。続いてLアルギニン投与後1,2,8時間後における各評価項目に加え、膵臓の組織学的解析として好中球浸潤を評価した。リパーゼは投与1時間後から経時的に優位な上昇を示し、炎症関連因子、組織の好中球浸潤は1時間後から上昇傾向を示した。以上のことから本モデルにおいて、Lアルギニン投与後1時間で血中リパーゼ値、各種炎症関連因子の上昇、そして組織好中球浸潤が増加したことから、急性膵炎の発症とした。
今後このモデルに対して、キマーゼ阻害薬の投与によって病態改善につながるか、各種評価項目はどのように変化するかを研究する。また、本研究において、血漿からmiRNAを収集しmiRNAを用いた解析を行うことを計画している。急性膵炎に関連したmiRNAがキマーゼ阻害薬の投与によりどのように変化するかを解析することで、病態生理学的役割やキマーゼ阻害薬の作用機序の解析につながると予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデルの作成はおおむね予定通りに作成され、その評価も予定した期間で行われている。今後組織におけるキマーゼの評価と、キマーゼ阻害薬を投与することで生じる各種評価項目の変化と、治療薬としてのキマーゼ阻害薬の効果を評価していく。

今後の研究の推進方策

今後、上記のモデルに対して、キマーゼ阻害薬の投与によって病態改善につながるか、各種評価項目はどのように変化するかを研究する。肥満細胞及び、キマーゼの組織学的評価及び、キマーゼ阻害薬を投与した際には、キマーゼ活性の変化を評価する予定である。また、本研究において、血漿からmiRNAを収集しmiRNAを用いた解析を行うことを計画している。急性膵炎に関連したmiRNAがキマーゼ阻害薬の投与によりどのように変化するかを解析することで、病態生理学的役割やキマーゼ阻害薬の作用機序の解析につながると予想される。

次年度使用額が生じた理由

一時的に予定したハムスターの入荷が遅れたため、やや実験が遅れたため未使用額が400000円が生じた。次年度はキマーゼ阻害薬を用いて、活性阻害実験をおこなうため研究費を使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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