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2021 年度 実施状況報告書

急性膵炎に対するChymaseによる病態解明とChymase阻害剤の創薬化研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09277
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

米田 浩二  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70531896)

研究分担者 谷口 高平  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
高井 真司  大阪医科薬科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード重症急性膵炎 / キマーゼ / キマーゼ阻害薬 / 肥満細胞 / ハムスター
研究実績の概要

重症急性膵炎は蛋白分解酵素阻害薬などが多数臨床試験が行われているものの、明らかな治療効果は示されておらず、新規治療薬の開発が求められる。研究代表者はこれまでにアンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換するキマーゼの機能解析及び、キマーゼ阻害薬の有効性の検証を進め、多数の関連を報告してきた。しかし、これまでにキマーゼと急性膵炎の病態における役割は明らかにされていない。そこで急性膵炎におけるキマーゼの病体生理学的役割と、キマーゼ阻害薬の治療薬としての可能性の検証を行なっている。
ハムスターにLアルギニンを用いた急性膵炎モデルは確立した。
このモデルに対してキマーゼ阻害薬TY-51469の治療効果を検証するため、TY-51469をL-アルギニン最終投与較した。1時間後に投与したTY-51469投与群とプラセボ群及び正常のコントロール群について比、血清リパーゼ値はプラセボ投与群で対照群より有意に高値を示したが、プラセボ投与群とTY-51469投与群の間に有意差はなかった。膵臓のTNF-α mRNA量は、プラセボ投与群ではコントロール群に比べ有意な増加を認めたが、TY-51469投与群では減弱する傾向が見られ、コントロール群との間に有意差はなかった。膵臓組織切片中の好中球の数は、プラセボ投与群では対照群に比べ有意に多かったが、TY-51469投与群ではプラセボ投与群に比べ有意に少なかった。膵臓のキマーゼ活性は、プラセボ投与群ではコントロール群に比べ有意に上昇していたが、TY-51469の投与により有意に低下した。また、膵臓組織切片中のキマーゼ陽性細胞数は、TY-51469投与群ではプラセボ投与群に比べ有意に少なかった。L-アルギニン注射後24時間の生存率は、プラセボ投与群26%、TY-51469投与群56%であり、その差は有意であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデルの作成も出来たため、キマーゼ阻害薬を投与し生存率などが改善していることが確認された。

今後の研究の推進方策

今回の結果から、キマーゼ阻害薬の投与によってどのような機序で病態改善につながったのかをさらに検証したいと考えている。
また、膵疾患を含めた肝胆膵領域の手術は、術後の合併症も高く高難度手術と位置付けられており、手術手技の習得・教育には時間もかかる。術前CTから画像をVincentにて3D構築したデータをポリゴン化しSTLファイルをHoloeyes社にVR作成を依頼し、解剖の理解が深まるかどうかを検証したと考えている。

次年度使用額が生じた理由

一時的に予定したハムスターの入荷が遅れたため、やや実験が遅れたため未使用額が生じた。次年度はキマーゼ阻害薬を用いて、活性阻害実験をおこなうため研究費を使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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