血管拡張性ショックを来す敗血症には、強い血管収縮作用を有するアンジオテンシンIIによる改善効果が期待できる。一方、アンジオテンシンIIは心肥大や腎糸球体硬化を惹起しうる。本研究では、アンジオテンシンIIによる敗血症性ショックからの離脱と、心臓及び腎臓における臓器障害について、評価することを目的とした。しかしながら、文献報告されている十分な血圧上昇をきたす用量のアンジオテンシンIIを盲腸結紮穿刺腹膜炎モデルによる敗血症性ショックマウスに投与したが、生存解析において改善効果を認めなかった。用量のみならず、投与タイミングについても検討を加えたが、アンジオテンシンIIの治療効果を確認できなかった。
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