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2021 年度 実施状況報告書

生命維持装置管理患者に対するAIを活用した急変時対応システムの開発と効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K09289
研究機関佐賀大学

研究代表者

坂口 嘉郎  佐賀大学, 医学部, 教授 (20225791)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード生命維持装置 / 生体情報 / 遠隔モニタリング / 緊急対応発動
研究実績の概要

当院ではこれまで、生命維持装置の作動状況を監視するシステム(医療機器連携システム)と、患者生体情報を監視するシステムをそれぞれ独立して運用してきた。2つの遠隔監視システムの情報を統合しAI技術により容態緊急度を判断し介入通報するシステムを開発し、その有効性を検討することを当初の目的とした。
令和3年度には、以下の実績を達成した。
(1)医療機器連携システムのバージョンアップにより通信の安定化、データ更新の高速化を実現、(2)医療機器連携システムの端末画面上に生体情報の読み込みボタンを設置、(3)医療機器作動状況「注意/警告」レベル発動時、自動的に生体情報を読み込み、画面上に表示
データ解析をもとに緊急度を判定するシステムの開発は今後の課題である。なお、緊急度に基づき介入要請を該当医療者に自動通報するシステムを開発することを当初の目的としたが、本研究で想定する実装システムにおいて実現化するのは技術的に難しいことが明らかとなったため、本システム搭載端末上に緊急度表示することで運用する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2つの遠隔監視システムを統合する新しいシステムのプラットフォームを開発するのではなく、既存の医療機器連携システム上に生体情報のデータを取り込み、画面表示させる方式を採用することに変更し実現した。これにより、端末の観察者は、両者のリアルタイムデータを容易に把握し、患者の緊急度を判定することができるようになった。次の課題は、取り込んだ生体情報データを解析し、緊急度を判定するシステムを開発することであるが、技術的な問題で難航している。そのため、2つの遠隔監視システムのデータを統合して自動的に緊急度を判定するシステムの開発には至っていない。

今後の研究の推進方策

生体情報緊急度の判定システムの開発を促進する。 (1)生体情報モニタから得られるバイタルサインの重症度については、HR、BP、SpO2のトレンド変化率とパターンから、A:正常、B:要注意、C:危険に分類する。(2) 医療機器連携システムの緊急度と生体情報の緊急度に関するマトリックス表に従い介入の必要性を段階に分類する。IV: 経過観察、III:担当スタッフコール、II: RRTコール(RRTおよびMEセンター技士へ通知)、I: ハリーコール(院内一斉放送)。(3)以上の判定メッセージを端末上に表示するビューを開発する。
本システムを開発し臨床運用することが2022年度の課題である。システムを搭載した端末をrapid response teamスタッフが携帯することで、対象患者の異常の覚知につながるかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

緊急度自動判定システムの開発が遅れ、臨床運用を開始できていない。臨床使用する上で必要な端末の購入費用(約60万円)は次年度持ち越しとしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 視覚的要素を加えたリアルタイム遠隔モニタリングシステムの構築2022

    • 著者名/発表者名
      古謝侑奈、田中志緒里、酒井勇貴、諸岡大樹、福永祐介、佐藤大祐、木塚晋輔、木村崇、平方希三生、西村徳泰、市山智義、田中淳、坂口嘉郎、山下佳雄
    • 学会等名
      第32回日本臨床工学会及び2022年度公益社団法人日本臨床工学技士会総会
  • [学会発表] 当院における生命維持管理装置遠隔モニタリングシステムの現状と今後の展望2021

    • 著者名/発表者名
      酒井勇貴、諸岡大樹、福永祐介、木塚晋輔、木村崇、平方希三生、西村徳泰、市山智義、田中淳、山下佳雄、坂口嘉郎
    • 学会等名
      第32回日本臨床モニター学会

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公開日: 2022-12-28  

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