研究課題/領域番号 |
20K09302
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関 倫久 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30528873)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 機械学習 / 心肺停止 / 蘇生 |
研究実績の概要 |
総務省消防庁の救急蘇生統計(ウツタインデータ)を利用した心原性心肺停止の予後予測モデルの開発に取り組み、後方視的に救命可能性が高いにもかかわらず救命できなかった心肺停止例の検出モデルの作成を試みた。58万件の心原性心肺停止例を学習データとし、22万件をテストデータとしてロジスティック回帰、多層パーセプトロン、ランダムフォレストを用いて神経学的予後を予測する機械学習モデルを作成し、AUROCで0.94を超える予測性能を達成するモデルは作成可能であったが、不均衡データであることからさらなる評価が必要であるとともに、実用・実装に向け入力時の欠損値への対応とそれによる不確定さの表現が必要と考えられ、現在モデルを検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウツタインデータから神経学的予後予測モデルを作成し、実用・実装に向け入力時の欠損値への対応とそれによる不確定さの表現について現在モデルを検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床医が後方視的に用いる場合、予測モデルは常に入力がそろった状態で用いられるとは限らず、また新たに入力データを保管することが難しい。現状では入力データ群を多重代入することで学習を進めモデル作成を行っていたが、この点について改良が必要と考えられた。欠損データが存在することを前提として、ユーザビリティの観点から重要な情報が欠損した場合にはより不確定な結果が出力され、重要性の低い情報の欠損に対しては不確定度の低い結果が出力されるようなモデルが理想と考えられた。上記を踏まえ、本研究の最終的な実用性の達成へ向け、不確定さの表現が可能なモデルへの発展を検討している。
|