研究課題/領域番号 |
20K09303
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
藤野 和典 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402716)
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研究分担者 |
松村 一弘 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (50378486)
田畑 貴久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90278200)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多臓器不全 / プロインスリン陽性細胞 |
研究実績の概要 |
集中治療を要する重症患者においては、集中治療後症候群と呼ばれるADLの低下、認知機能および臓器機能の低下等、いわば老化現象の進行が観察される。近年老化によって生じる老化細胞の様々な機能が明らかとなってきているが、申請者らは老化細胞が、侵襲時に骨髄にて産生され臓器細胞に融合し、炎症性サイトカインを産生することにより、臓器機能不全を引き起こすプロインスリン陽性細胞(PI-BMDCs)に形態的、機能的に酷似していることを見出した。PI-BMDCsが骨髄幹細胞/前駆細胞の老化により産生され、臓器細胞に融合し、老化細胞として機能するならば、侵襲後に生じる様々な老化現象の機序を説明することが可能となり得る。本申請は骨髄幹細胞の老化とPI-BMDCs、老化細胞の関係を明らかとし、抗老化治療薬(senolytic drug)の侵襲に対する新たな治療薬としての可能性を勘案するものである。 令和2年度は、敗血症モデルマウス(盲腸結紮穿刺(CLP)モデル、リポポリサッカライド(LPS)投与モデル)において、マウス幹細胞とされているKSL細胞(Lin- Kit+ Sca-1+)をフローサイトメトリーにて収集し、老化マーカーとされるp16INK4a、p21、p53のmRNA発現の程度につき観察を行った。現段階では統計学的な有意差はまだ出ていないが、老化マーカーが増加する傾向が観察されている。また、臓器細胞に出現しているPI-BMDCsに対し、SA-βgal染色を行い、PI-BMDCsと老化細胞の関係につき調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
敗血症モデルマウス(盲腸結紮穿刺(CLP)モデル、リポポリサッカライド(LPS)投与モデル)において、臓器細胞に出現しているPI-BMDCsに対するSA-βgal染色の染色条件の調整に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
敗血症モデルマウス(CLPモデル、LPS投与モデル)において、マウス幹細胞とされているKSL細胞(Lin- Kit+ Sca-1+)をフローサイトメトリーにて収集し、この細胞群の増殖能力を確認するため、Ki-67の発現を、DNA損傷を見るためにγH2AXの発現につき調査を行い正常マウスとの比較を行う予定である
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