研究課題/領域番号 |
20K09306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40648169)
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研究分担者 |
尾迫 貴章 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (30573844)
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
山田 太平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00465684)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小腸移植 / 水素 / 虚血再灌流障害 |
研究成果の概要 |
小腸移植は、生体・脳死移植どちらも健康保険の適用となり、今後増加していくことが予想されるが、2019年10月の時点では本邦ではわずか30例の小腸移植が行われているのみで、欧米に大きく遅れている。これは、小腸が虚血再灌流に弱く、保存が難しいことも一因である。水素ガスは、抗酸化作用、抗炎症作用を有することが知られており、本研究では、臓器保存中に小腸グラフトの粘膜面から水素分子を投与する、より安全で臨床応用しやすい保存法についてラット小腸移植モデルを用いて検証した。水素を豊富に含む生理食塩水のグラフト腸管内腔投与は、小腸移植における虚血再灌流障害を軽減することがわかった。
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自由記述の分野 |
臓器移植、虚血再灌流
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの臓器保存の概念は、主に血管を潅流し、保存液を血管内より臓器に流し込むことであった。しかし、腸管は他の実質臓器と異なり、消化管管腔という特殊な構造をもつ。腸管粘膜は、バリア機能を担う重要な組織であるが、これまで小腸移植において消化管内腔をターゲットにした治療的戦略は研究されてこなかった。本研究の成果により、水素分子の腸管内腔へのアプローチという新しい治療戦略は、グラフト保存法の改良ばかりでなく、重症患者のBacterial Translocationへの応用の可能性を秘めている。
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