研究課題/領域番号 |
20K09312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
塩田 勝利 自治医科大学, 医学部, 教授 (40398516)
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研究分担者 |
岡田 剛史 自治医科大学, 医学部, 講師 (20742844)
舩田 正彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 薬物依存研究部, 室長 (20299530)
米川 力 自治医科大学, 医学部, 教授 (50468336)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トラマドール / リスペリドン / 高体温 / セロトニン症候群 / ドパミン / セロトニン |
研究成果の概要 |
気温28度、Wistar系雄性ラット、nano-tagを用いて実験を行った。トラマドール(TRA)100mg/kgを腹腔内投与したところ体温は、39度以上まで上昇した。リスペリドン(RIS 0.5mg/kg,0.25mg/kg)をTRA投与5分前に腹腔内投与したところ、RIS0.25mg/kg では有意に体温上昇を抑制した。しかしRIS 0.5mg/kgでは抑制しなかった。また各種受容体拮抗薬を用いて検討を行ったところ、DA1及び5-HT2A受容体拮抗薬が高体温を抑制した。これらの実験からRISの高体温抑制の機序としてはDA1及び5-HT2A受容体拮抗作用によるものと考えられた。
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自由記述の分野 |
精神薬理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TRAそのものはオピオイド作用がほとんどなくSNRI作用を有する。その使用の拡大によりセロトニン症候群様の高体温を呈するTRA中毒の症例が増加している。しかし確立された治療法は存在せず、治療法の確立が切望されている。TRAは脳内モノアミン濃度を上昇させることにより、中毒症状を引き起こしていると考えられ、今回我々はRISがTRAによる高体温を抑制すると考え実験を行ったところ、RISはTRAの高体温を抑制し、その作用機序はRISのDA1受容体及び5-HT2A受容体拮抗作用によるものと思われた。 この結果より既に臨床で使用されている抗精神病薬であるRISはTRA中毒の治療薬となる可能性が示唆された。
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