研究課題/領域番号 |
20K09314
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研究機関 | 東都大学 |
研究代表者 |
中内 暁博 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (90245829)
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研究分担者 |
藤城 雅也 昭和大学, 医学部, 講師 (00527161)
熊澤 武志 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00186470)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベンゾジアゼピン系向精神薬 / マクロライド系抗生物質 / 治療薬物モニタリング (TDM) / モノリス型SPE / UFLC-MS/MS / 精密質量 / 救急救命 / 法医学 |
研究実績の概要 |
本年度は構築した高精度・高感度分析法の臨床応用について以下の検討を行った 頭部外傷後の通過症候群における鎮静薬は過量投与が多く、呼吸抑制や遷延性意識障害等の副作用と更には死亡事故も指摘されている。血中鎮静薬成分の簡便・迅速かつ確実な同定および血中濃度モニタリングは鎮静薬の適正量投与に極めて重要である。昭和大学医学部における「人を対象とする研究等に関する倫理委員会」の承認(No. 2715)を得て、ミダゾラムとプロポフォール併用した脳低温療法患者の血漿(12時間~第6病日)からミダゾラムおよびプロポフォールの血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring: TDM)を行ったところ、ミダゾラムおよびプロポフォールは何れも感度良く同定・定量された、投与開始120時間までのTDMが可能であった。鎮静薬の血中濃度モニタリングが簡便迅速かつ高精度に行えれば、鎮静薬を適正量で管理することが可能となる。過量投与がなくなることで、合併症の出現は減少し、合併症の治療により延長していた在院日数の短縮にもつながり、患者の身体的・精神的負担が減少できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度「研究目的」の達成度は40%であった。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止対策下において、研究者の移動ならびに臨床サンプルの入手が困難であったが、周術期患者かのミダゾラムおよびプロポフォールについて薬物血中濃度モニタリング(TDM)の検討を行い、本法は高精度・高感度な分析法として臨床実務に有用性を示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、臨床サンプルの他、法医学実務サンプル分析の分析も行い、本法の実用性および有用性の検討を行う。また、構築した高精度・高感度分析法については2023年度国際法中毒学会(2023TIAFT)において発表予定である。その上、データを纏めて学術誌への投稿も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度には、臨床サンプルの他、法医学実務サンプル分析の分析も行い、本法の実用性および有用性の検討を行う。また、構築した高精度・高感度分析法については2023年度国際法中毒学会(2023TIAFT)において発表予定である。
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