研究実績の概要 |
ウサギを全身麻酔下に気管切開し、平均動脈血圧(MAP), 脈拍(HR), 心拍出量(CO), 上腸間膜静脈血流量(SMV), 下大静脈血流量(SMV), 空腸粘膜組織血流を30分毎に240分まで測定した。iNOs阻害剤のL-Nilの効果を確認するため、以下の4群を作成した。1)コントロール群,2)LPS(1mg/kg)群, 3)L-NIL群,4)LPS(1mg/kg)+L-nil群。L-Nil量は先行論文を参考に3mg/kgとした。 LPS、LPS+L-NIL群のMAPに関しては、コントロール・L-NIL群では、240分まで維持されていたが、LPS、LPS+L-NIL群では、60分で約20%減少し、240分まで経時的に徐々に低下を示した。COはコントロール・L-NIL群では240分まで維持され、LPS、LPS+L-NIL群では、LPS投与後に約20%減少した。SMV血流量の結果は、コントロール・L-NIL群では、SMV血流は240分まで、前値前後で維持されたが、LPS、LPS+L-NIL群では、LPS投与後に1度減少し、その後増加に転じてベースライン値の約120%で維持された。IVC血流に関しては、コントロール・L-NIL群では、SMV血流は240分まで、ベースライン値付近で維持されたが、LPS、LPS+L-NIL群では、LPS投与後に約30%減少し、LPS+L-NIL群では240分まで維持されLPS群では時間経過で徐々に低下し240分には50%の低下に至った。粘膜組織血流に関しては、コントロール・L-NIL群では、240分まで徐々に減少し、ベースライン値の約85%を維持したが、LPS群、LPS+L-INIL群は同様の推移を示しLPS投与により約40%の低下を認め、240分には約20%の低下と粘膜血流の改善を認めた。現段階ではL-NIL投与による影響を認めない。
|