研究課題/領域番号 |
20K09328
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
日宇 健 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00404260)
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研究分担者 |
伊木 勇輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (00772154)
定方 英作 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (10772139)
堀江 信貴 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (70380912)
松尾 孝之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00274655)
馬場 史郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30530430)
氏福 健太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20437867)
平山 航輔 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (00896326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 幹細胞移植 |
研究実績の概要 |
適切な梗塞巣をもつモデルを確立した。 神経幹細胞をperi-infarct areaへの定位的脳実質内投与を行った。ヒト由来幹細胞をperi-infarct areaへの定位的脳実質内投与を行う. Peri-infarct areaに計4箇所の投与を行った. 梗塞1週間後にヒト神経幹細胞を患側大脳皮質に定位移植(1×105 cells/site, 3-4 sites)し, 1週毎に機能評価を行った. Motor cortexの評価として感度の高いcylinder test、 sensory cortexの機能評価としてwhisker-paw test、神経学的評価をmodified Neurological Score Testにて行い1週毎ごとに評価し定位移植3週-4週間後に細胞移植群で機能回復を来した。治療後2日目に脳組織を摘出。Brain matrixを用いて2mm間隔でcoronal sliceを作成し急性期脳梗塞を評価した。幹細胞移植後1か月目に3%PFA灌流固定を行い、脳組織を摘出。脳組織はcryostatを用いて40μm sliceを作成。等間隔に8切片をセレクトしCresyl Violet溶液を用いて染色を行い脳室サイズや脳皮質の萎縮の定量(脳梁の厚さ)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
適切な梗塞巣をもつモデルを確立した。 神経幹細胞をperi-infarct areaへの定位的及び経動脈的投与脳実質内投与を行い幹細胞移植群では機能回復が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ホスト環境の変化につき主に組織学的に評価する。 Blood brain barrier: 電子顕微鏡を用いてendothelial cell、tight junctionの構造変化を検討する。Tight junction proteinについては組織サンプルからmicrovessel isolationを行いよりpurifyしたendothelial cell sampleを用いてoccludin、claudin-5、ZO-1のタンパク発現を測定する。さらにはペリサイト、アストロサイトとのインターアクションを検討する。 Synaptogenesis:まずGAP-43、 synaptophysinでの蛍光免疫学的評価、synapseに関連したgene primerを用いてのqPCRを行う。さらにはStanford大学のSmithらがin vivoでのsynapseのcountingを確立しており、このarray tomographyの手法を用いて細胞移植後のsynaptogenesisを検討する。この技法は蛍光免疫染色に比べ空間分解能に極めて優れている。Peri-infarct areaだけでなく、健側皮質にもsynaptogenesisを認めることが推察される。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は神経幹細胞の実質内投与は行ったが、当初よりそのモデルの確立に時間がかかり、実施予定であった神経幹細胞の経動脈的投与は次年度に持ち越しとなった。そのため当初予定していた神経幹細胞の経動脈的投与での機能回復、脳梗塞サイズの変化、幹細胞の生存率を次年度に実施するため、実験動物マウスを購入する予定である。
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