研究課題/領域番号 |
20K09332
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
草鹿 元 自治医科大学, 医学部, 教授 (00265258)
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研究分担者 |
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 教授 (20311938)
金澤 丈治 自治医科大学, 医学部, 教授 (20336374)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / 悪性神経膠腫 / DNAメチル化 / 遺伝子導入 |
研究実績の概要 |
本研究は, Ten-eleven translocation methylcytosine dioxygenase 2 (TET2)を治療遺伝子とする悪性神経膠腫(膠芽腫)への新規遺伝子治療の基礎研究である.申請者らはこれまで, 癌抑制遺伝子に関する研究からDNAメチル化による癌抑制遺伝子の不活化が膠芽腫の発症に関わると考えている.膠芽腫の標準治療は既に確立されているものの,その予後は不良であり,新たな治療戦略の開発が望まれる.膠芽腫は多くの癌抑制遺伝子が不活化されており,効果的な分子標的治療には同時に多数の癌抑制遺伝子を活性化する必要がある.TET2は脱メチル化酵素でありメチル化で不活化した複数の癌抑制遺伝子を同時に活性化できるため膠芽腫治療に適した治療遺伝子である.TET2遺伝子による遺伝子治療の開発は新たな膠芽腫治療の進歩に大きく寄与するものと思われる.現在,サイトメガロウイルスプロモーターの下流にTET2とGFPを共発現するプラスミドベクターを構築し,更に,そのベクターを数種類の膠芽腫の細胞に遺伝子導入し,発現の確認を行っている.また,その影響下にあることが予想される数種類のG蛋白共役受容体に関して解析を行っている.具体的には,TET2の発現により代表的G蛋白共役受容体であるGALR1やGALR2が再活性化されたことを確認するために,プロモーター領域の脱メチル化をバイサルファイトシーケンス法で解析する.機能の回復は,TET2導入による情報伝達系が,通常のGALR1やGALR2の情報伝達系と同様であるかを確認する.以前の強制発現の実験系で確認したGALR1やGALR2の細胞周期停止作用やアポトーシス誘導作用が本実験でも再現できるかが最も注目すべき点であると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
悪性神経膠腫細胞への遺伝子導入効率が低く不安定であるため細胞ごとの蛋白発現の強度にばらつきがある.再現性を確実にするため遺伝子導入法を再検討していることに加え,コロナウイルス感染症の影響で研究が遅延した.
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中のTET2の発現によりG蛋白共役受容体がが再活性化されたことを確認するためのプロモーター領域のバイサルファイトシーケンス法解析を更に継続する予定である.機能の回復は,TET2導入による情報伝達系が,通常のG蛋白共役受容体の情報伝達系と同様であるかを確認する.以前の強制発現の実験系で確認した細胞周期停止作用やアポトーシス誘導作用がいくつかのG蛋白共役受容体で再現できるかが最も注目すべき点であると考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
発生した余剰金は遅延した分の実感を行うための試薬に使用する予定.
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