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2021 年度 実施状況報告書

MYCファミリー遺伝子を標的にした膠芽腫に対する革新的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09338
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

瀬戸口 大毅  千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 医員 (90869926)

研究分担者 筆宝 義隆  千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30359632)
井内 俊彦  千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 部長 (80370881)
末永 雄介  千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 研究員 (80581793)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードmonensin / glioblastoma
研究実績の概要

膠芽腫に対する新規治療薬を決定する上で、まず、膠芽腫細胞株U87MGと、当院患者検より作成した細胞株の両者に対し、計480化合物による薬剤スクリーニング(5μM,6日間処理)を行った。細胞の生存率をcell count kit-8 assayで評価し、その結果から、MYC関連の薬剤も含む23薬剤に絞られた。その候補薬の中から、膠芽腫に対し一般的に用いられるテモゾロミドや、他癌腫に用いられるCrizotinib,JQ1などと比較しても特に効果のあったモネンシンについて実験を進めると、
膠芽腫細胞株U87MGに対し、10nM、6時間処理で細胞の形態は変化しており細胞死が起きていると考えられた。
Westernblot法を用い、MYCを検証すると当初考えていたとは逆にMYCの発現が上昇していた。また、p53とその標的遺伝子であるPIDDおよびMDM2の発現が誘導され、それらの切断も見られた。また、モネンシン処理によってCaspase2の切断が誘発されたことから、p53/PIDD/Caspase2の正のフィードバックループの活性化が示唆された。さらに、サイクリンB1とリン酸化サイクリンB1が誘導されたことから、モネンシンによる分裂期細胞死を介した可能性が示唆された。以上のこと
から、モネンシンはp53/PIDD/Caspase 2経路を活性化し、GBMの分裂期細胞死を誘発することが明らかになった。
現在、他膠芽腫細胞株を用い、同様の経路で細胞死を起こすか検証している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定ではMYC阻害による神経膠腫治療薬を開発する予定であったが、細胞株による薬剤スクリーニングではMYC関連の薬剤は少なく、方針を変更した。現在は、膠芽腫細胞株に対する薬剤スクリーニング結果により多細胞株制御が良好であったmoensinを候補薬とし、薬剤添加実験を行っている。

今後の研究の推進方策

もともと市販細胞株のみを用いていたが、患者由来膠芽腫細胞を安定して継代できる状態として保存しており、薬剤添加試験に用いている。moensinを添加した膠芽腫細胞がcaspase2以外にどのような細胞死経路をたどるのか、また他の患者由来細胞株でも同様の経路をたどるのか検証中。また、マウスに細胞を撒き、血液脳関門の通過の程度などを確認する方針

次年度使用額が生じた理由

試薬購入費、論文作成費などに使用予定

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公開日: 2022-12-28  

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