研究課題/領域番号 |
20K09341
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
稲次 基希 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00422486)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | epilepsy / cardiac repolarization |
研究実績の概要 |
Abnormal cardiac repolarizationはてんかん患者で検討した。器質的異常の有無で、発作後の12誘導心電図パラメーターを比較した。対象は96人の患者で女性33人の(器質異常あり17人、異常なし16人)と男性63人(異常あり44人となし19人)。 ECGパラメータは、心拍数、PR間隔、およびグループ間のQRS持続時間で同等でした。対照的に、Fridericia、Framingham、およびBazettの式によって評価された修正QT間隔は、器質的異常のある患者では、異常がない患者と比較して延長していた。(女性:Fridericia [正常対異常]、397.4±32.7対470.9±48.9; P = 0.002; Framingham、 351.0±40.1対406.2±46.1; P = 0.002;Bazett、423.8±38.3対507.7±56.6; P <0.0001;男性:Fridericia、403.8±30.4対471.0±47.1; P <0.0001;Framingham、342.7±36.4対409.4± 45.8; P <0.0001; Bazett、439.3±38.6対506.2±56.8; P <0.0001)。 QT分散とTpeak-Tend間隔はグループ間で同等でした。また、5人の患者でST上昇を観察された。発作中または発作後に致命的な不整脈を示した患者はいませんでした。以上から脳の器質的異常に伴うてんかん発作は、Abnormal cardiac repolarizationと関連している可能性があることを示しました。これは、脳の電気生理学的リモデリングの兆候である可能性が示唆された。 これらの結果はJ Am Heart Assoc. 2021 May 4;10(9):e019778として報告した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
てんかん発作と心電図以上の解析を行い、J Am Heart Assocに報告した。現在PETデータおよび血液データとの関連について解析を行っている。特にアデノシンA1受容体のほかに、FDGPETを含めた脳の器質的異常と心電図異常との相関を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は現在PETデータおよび血液データとの関連について解析を行っている。特にアデノシンA1受容体のほかに、FDGPETを含めた脳の器質的異常と心電図異常との相関の報告が可能と思われる。PET画像解析ではROI設定の方法について自動化を試みる他、統計解析の手法について検討が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVIDの影響により、海外・国内学会の交通・宿泊費がほぼ不要となったこと。 当初予定していた統計ソフトの導入について、現在の解析ソフトでの対応が可能となったことから、予定よりも少ない使用額となった。
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