研究実績の概要 |
1.てんかん発作と心電図以上の関連について検討した。局在関連てんかん患者96名の検討で、心拍数、PR間隔、QRS持続時間に影響はないものの、修正QT間隔が延長することを明らかにした。(Abnormal Cardiac Repolarization After Seizure Episodes in Structural Brain Diseases: Cardiac Manifestation of Electrical Remodeling in the Brain? Mori S, Hori A, Turker I, Inaji M, Bello-Pardo E, Miida T, Otomo Y, Ai T. J Am Heart Assoc. 2021 May 4;10(9):e019778.)このことは脳の器質的な異常が、てんかん発作後の異常な心臓の再分極と関連している可能性を示していると考えている。 2.外傷性てんかん後の発作について自験例とReviewをおこなった(Management of Post-traumatic Seizures and Epilepsy.Inaji M, Maehara T.No Shinkei Geka. 2021 Sep;49(5):986-993.) 3.てんかん患者における術中脳波(特にHFO)と麻酔濃度の影響について論文投稿中である。てんかん患者のFDGPET112名のSPM統計解析の有用性について論文投稿中であるほか、心電図による発作予測の方法論についても投稿中である。また側頭葉てんかんにおけるITMM-PET、アデノシンPETについて論文執筆中である。 4.外傷患者の救急情報を利用した、機械学習による搬送アルゴリズムの方法論について投稿(in press)し、てんかん患者の発作後の予測に利用できるシステムを開発している。発作後の心電図以上に関しては、2020年より導入したSEEGによって、より明確に海馬や島回の脳波データの入手が可能となり、これに機械学習を導入することで、心電図異常との関係性の解明が可能と期待している。
|