① ラットiNPHモデル 230-250gのSD雌ラットに0.2%イソフルラン吸入麻酔で全身麻酔をかけ、ラットを定位脳装置で頭部を固定し頭頂部に皮膚切開を行いBregma周囲の骨を露出。Bregmaから0.8mm右外側、1.6mm後方の部位にドリルにてburr holeを作成した。Burr holeより30ゲージ針で3.7mmの深度まで穿刺し、50μLシリンジを用いてiNPHモデル群では30%kaolin懸濁液30μLを、Control群では生理食塩水30μLを脳室内投与を行った。Burr holeをレジンで閉鎖し皮膚を縫合して手技を終了した。側脳室内投与モデルを安定して作成するにはkaolinの60分間超音波破砕することが必要である。水頭症発生に5週間で発生し大槽内投与モデルが約2ヶ月で死亡するのに対し、側脳室内投与モデルは長期生存が可能で、Controlに比ベ体重増加が生じなかった。 ②モリス水迷路試験:学習および記憶能力をモリス水迷路試験によって測定した。直径1.5m深さ1mの桶に45cmの深さまで20℃の水を張り、直径10cm高さ30cmのプラットホームを一ヶ所設定した。プラットホームの対側の水上で、iNPHラットまたはControlラットを水中に解放し、泳いでプラットホームに到達するまでの時間を計測した。3回繰り返し、最初のタイムに対する変化率を測定した。 Beams試験:運動機能をBeams試験により測定した。幅1cm長さ1mの橋を作成し、ラットを渡らせて渡りきるまでに何回落下するかを測定した。歩行中は後方から強い蛍光灯を当てラットが後方に戻らないようにした。iNPHラットはControlラットに比して有意な学習、記憶障害が生じること、有意に多い落下回数を認め歩行障害が出現することを確認した。
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