• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

脳梗塞におけるPDGFナノ粒子を用いた新規治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09350
研究機関九州大学

研究代表者

有村 公一  九州大学, 医学研究院, 助教 (00638025)

研究分担者 村田 正治  九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードペリサイト / 脳梗塞 / drug delivery system / ナノ粒子
研究実績の概要

本研究ではPDGF-BBを修飾したナノ粒子を用いた脳梗塞新規治療の開発を目指す。2020年度はPDGF-BBを修飾したナノ粒子(PDGFB-NP)を培養ペリサイトに投与すると、ウエスタンブロットにおいてコントロールと比較して著明にAktのリン酸化が認められた。またナノ粒子のサイズは10nm前後であり、PDGF-BBを修飾しても特に大きなサイズの変化は見られなかった。PDGFB-NPを脳梗塞マウスモデルに投与したところ、PDGFB-NPはMAP2染色で確認される脳梗塞巣やその周囲に集積し、コントロール群と比較してMRIやMAP2免疫染色において脳梗塞体積の縮小が認められた。またシリンダーテストにおいてPDGFB-NP治療群ではコントロール群と比較して有意な運動機能の改善が認められたことを報告した。
2021年度はそのメカニズムを検討したところ、梗塞巣及び梗塞巣周囲でAktのリン酸化が認められていた。Aktリン酸化細胞を免疫二重染色で検討すると、主にPDGFRβ陽性のペリサイトであることが判明した。また同部位においてBDNF、NGF、NT-3といったneurotrophinの発現をELISA法で調べると、PDGFB-NP治療群においてNT-3の発現が有意に増加していた。さらにPDGFB-NP治療群では梗塞巣や梗塞巣周囲におけるTUNEL染色陽性のアポトーシス細胞がコントロールと比較して有意に低下していた。以上よりPDGFB-NPは脳梗塞において梗塞巣や梗塞巣周囲でのアポトーシスを制御することにより神経保護効果を発揮している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに実験が進んでいる。

今後の研究の推進方策

計画通りに実験を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行によりWEB参加の学会が増えたため旅費が当初の計画より少額となった。次年度は研究費をさらに実験に費やし、研究を加速させていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Protein Nanoparticles Modified with PDGF-B as a Novel Therapy After Acute Cerebral Infarction2021

    • 著者名/発表者名
      Soh Takagishi
    • 雑誌名

      eNeuro

      巻: 8 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1523/ENEURO.0098-21.2021

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi