研究課題/領域番号 |
20K09351
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40437869)
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研究分担者 |
中川 慎介 福岡大学, 薬学部, 助教 (10404211)
佐藤 慧 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (40849486)
松永 裕希 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (80772136)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血液脳関門 / ドラッグリポジショニング / 中枢神経薬剤開発 / 血液脳関門モデル / がん / ぺリサイト / 脳虚血 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
灌流型3次元血液脳関門モデルの開発においては、内皮細胞、ペリサイト及びアストロサイトを培養した上で灌流することに成功した。不死化ヒト細胞、ラット 初代培養細胞、ヒト初代培養全てにおいて、モデル内に細胞を生着、培養できることを確認した。また、本研究過程において、①霊長類(サル)の初代培養細胞のみで構成された共培養モデルの特徴、②造影剤による血液脳関門破壊について脳血管内皮細胞内のMAP Kinase pathwaysの関与、③脂質異常症治療薬であるpitavastatinが炎症刺激による血液脳関門破壊に拮抗的に働くこと、④Rho kinase阻害薬が血液脳関門保護に働くことについて、見出し、それぞれの知見を英文学術誌において報告した。さらに、本研究過程で得た知見を踏まえ、総説’Beyond Lipid-Lowering: Effects of Statins on Cardiovascular and Cerebrovascular Diseases and Cancer’を執筆し、スタチンの多面的作用及び心血管、脳血管及び癌に与える影響をまとめ、発表した。本研究及び付随する成果を国内外の学会、研究会で発表するだけでなく、2022年3月には、4th Mini-symposium on the Blood-Brain Barrier: from Basic to Clinical Researchをハンガリーセゲド大学Maria Deli教授とともにorganizerとして主催し、世界各国の研究者との意見交換し、今後の研究の方向性も討議した。本研究課題の根幹であるドラッグリポジショニングに関しては、候補薬剤の選定を終え、実験を開始している(未公表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
灌流型3次元血液脳関門モデルの開発は順調に進んでおり、十分に実用可能な段階に到達している。しかし、実験で使用する薬剤及び細胞がCOVID-19の影響で一部調達できなかったため、一部の実験が施行できなかった。代替として、2次元モデルを使用し、薬剤が血液脳関門に与える影響を検討、解析した。今後は3次元モデルを使用し、2次元モデルで得られた結果との比較を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
我々のもつ血液脳関門における初代培養細胞を使用した血液脳関門モデルの技術と米国ワシントン大学、ハンガリー科学アカデミーの学際的ネットワークを融合させることで、研究を飛躍的に発展させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型肺炎COVID-19の世界的流行による実験使用器材の手配不能などにより、実験経費使用の一部を見送った。次年度の実験経費の一部として使用予定である。
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