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2021 年度 実施状況報告書

脊髄損傷急性期に対する間葉系幹細胞静脈投与に対する脊髄腸相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09361
研究機関北海道大学

研究代表者

関 俊隆  北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80241446)

研究分担者 大西 俊介  北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10443475)
川堀 真人  北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (50399870)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脳虚血 / 間葉系幹細胞 / 腸
研究実績の概要

【背景】脊髄損傷に対する再生治療・細胞治療は多くの基礎研究において有効性が報告され始めているが, その作用機序は全身の炎症制御や損傷部位への幹細胞生着によるネットワークの回復など多岐にわたると考えられている. 近年, 全身の免疫センターとしての機能を有する腸管と他臓器の関連が注目されており, 脊髄損傷においても腸管との関連(脊髄-腸相関)が報告されているが, 幹細胞投与がこの相関にどのように関与しているかは未だ明らかになっていない. 本研究では, 急性期脊髄損傷に対する羊膜由来間葉系幹細胞(AMSC)静脈投与が, “脊髄-腸相関”に与える影響を検討した.
【方法】SDラットを用い, Th6/7高位で, クリップ圧挫脊髄損傷モデルを作成した. 脊髄損傷の翌日, 一定以上の麻痺を認めたラットに対し, 無作為にヒトAMSC(1x107個, A群)または生理食塩水(C群)を尾静脈投与した. AMSCの分布は, XenoLight DiRで標識し, Fusionでin-vivo imagingを行った. 腸管評価は3日後と2週間後に, 運動機能評価は4週間後まで行い, その後に病理学的検討を加えた.
【結果】AMSCは1週間後まで主に肺と肝臓に集積していたが, 急性期には脊髄内にも確認された. A群はC群に比較し, 脊髄損傷3日後以降で回腸の絨毛構造の改善を認めた. 運動機能は2週以降, A群で有意に改善し, 病理学的評価においても, 損傷部位の縮小および炎症細胞浸潤が減少していた.
【考察・結語】本研究の結果から, 脊髄損傷により回腸絨毛構造が悪化するが, 羊膜細胞投与により, 運動機能回復に先立って回腸絨毛構造が改善することが明らかとなった. 今後、bacterial translocationの関与を検討する

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

想定していた実験が進捗し、仮説通りの結果が得られている。
今後バクテリアルトランスロケーションに関する研究を進める。

今後の研究の推進方策

腸管からのBacteria translocation評価を進める。
具体的には腸管の透過性に関する組織学的評価として、脊損の3日後および2週間後に、タイトジャンクションの構成蛋白であるzo-1、claudin-1、occludinに対する抗体を用いて、免疫組織化学染色を行う。腸管の蠕動運動機能に関する組織学的評価として、脊損の3日後および2週間後に、腸固有神経のニューロトランスミッターであるnNOS、VIPに対する一次抗体を用いて、免疫蛍光染色を行う。さらに、脊損3日後および2週間後の腸内細菌叢の変化を調べるために、小腸内容物および便を採取して、16S rRNAシーケンスを行い、最菌叢の多様性評価はをSimpson indexで行う。まず、脊損3日後および1週間後の腸管を用いて、細菌FISH、脊損1週後の肝臓を無菌的に採取し、これを細菌培養を行う

次年度使用額が生じた理由

コロナによって予定していた物品が届かず、実験の一部が遂行不可能であった。

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公開日: 2022-12-28  

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