研究課題
U87細胞にグルタミナーゼ阻害剤を投与してメタボローム解析をすると、ピルビン酸やクエン酸、イソクエン酸が低下し、細胞の増殖が抑制された。また、グルタミナーゼ阻害剤に化学療法薬であるテモゾロミドを投与して併用効果を検討した結果、併用群の方は細胞生存割合が低下していた。次に、U87膠芽腫細胞をヌードマウスの脳内に移植し、ケトン食を投与し、さらにグルタミナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤を投与して、コントロール、ケトン食単独、グルタミナーゼ単独群、ケトン食+グルタミナーゼ阻害剤群、ケトン食+グルタミナーゼ阻害剤+血管新生阻害剤群に分けてメタボローム解析を行うと、PCA解析でグルタミナーゼ阻害剤群はコントロールと重なる部分が多かったがその他の群ではコントロールとかなり分離され、代謝状態が大幅に異なる事が明らかとなった。特にケトン食+グルタミナーゼ阻害剤+血管新生阻害剤群ではgalactitol, glycolic acid, glutamic acid, proline, glycineなどが著明に低下していた。一方、ケトン体は腫瘍内で著明に上昇していた。生存期間は血管新生阻害剤が有意に延長したが、グルタミナーゼ阻害剤は有意では無かった。
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