研究課題/領域番号 |
20K09371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
國枝 武治 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (60609931)
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研究分担者 |
山田 啓之 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00403808)
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
中村 壮志 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (50794468)
井上 明宏 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20593403)
末廣 諭 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (50775012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRI画像解析 / 前庭神経鞘腫 / セグメンテーション / 深層学習 / 予後予測 |
研究成果の概要 |
前庭神経鞘腫の自然歴は明らかになっておらず、予後予測には、定量的な画像診断を客観的に確立することが必須である。我々は、画像経過を観察した症例群を教師情報として、自動で腫瘍のセグメンテーションを行う手法を開発した。腫瘍体積や内部性状によっては、自動認識が不安定となったため、充実性腫瘍群に加えて、腫瘍体積が大きく、のう胞成分を多く含む腫瘍群を順次追加して深層学習を繰り返すことで精度改善を図った。学習に用いなかった症例についての自動解析で、比較的高い腫瘍認識の精度を得た。開発した自動認識アルゴリズムは、恣意性を排除した増大評価が可能となり、外来での適切な画像解析を自動化し、予後予測に知見を還元した。
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自由記述の分野 |
脳神経外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前庭神経鞘腫に関する観察研究の多くは画像上での腫瘍最大径を基準とし、腫瘍増大の定義も一定ではなく、自然歴は明らかになっていない。恣意性がなく、自動化が可能な腫瘍認識法を開発した本研究の成果は、客観的な腫瘍体積増大指標だけでなく、多彩な経過をたどる腫瘍の正確な病態と自然歴といった学術的知見につながる。さらには、経過中に治療介入を行った症例についての解析から、治療介入の正当性だけでなく、脳神経系の機能的変容面からの腫瘍進展・進行に関する新たなバイオマーカーの探索が可能となる。最終的には、臨床面で不必要な検査を減らし、最適な治療介入時期を予期することで、医療の効率を最大限にできる先制医療を実現する。
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