研究課題/領域番号 |
20K09373
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吾郷 哲朗 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30514202)
|
研究分担者 |
中村 晋之 九州大学, 大学病院, 助教 (80713742)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 脳梗塞 / 虚血再灌流 / ペリサイト / フェロトーシス / 組織修復 / 神経機能回復 / 鉄 |
研究成果の概要 |
鉄は生体応答を支える種々のタンパク質の必須成分である.同時に酸化ストレスの原因となる元素でもある.虚血再灌流など酸素濃度が急激に変化する環境下では,細胞内鉄代謝が撹乱され,鉄依存性細胞死(フェロトーシス)が生じることがあり注目されている.脳梗塞では超急性期再灌流療法が確立した.血栓除去にもかかわらず,有効な再灌流が生じないno-reflowや傷害悪化を認める症例が存在しフェロトーシスの関与が示唆される.本研究成果により,脳虚血再灌流の病態では神経系細胞よりも細小血管ペリサイトがフェロトーシスを生じやすいこと,機能回復促進の側面からペリサイトのフェロトーシス抑制が治療標的となることを報告した.
|
自由記述の分野 |
脳血管障害
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞は日本人の代表的国民病である.超急性期における血栓溶解薬投与やカテーテル治療による再灌流療法が確立したが,その恩恵を受ける患者は10%に満たない.他方,リハビリテーション治療を除き神経機能回復を促進する治療は未だ存在しない.脳梗塞直後の神経保護療法は再灌流療法抜きに無効であることが証明されたが,治療開始に時間的余裕のある機能回復促進療法は,種々の臨床疫学研究,基礎研究の成果からも有望であると考えられる.疾病重症度やその頻度を考えると機能回復促進療法の開発は急務である.脳梗塞後に生じる内因性機能回復機構を明らかにするとともに,その標的細胞を明確にした点で本成果は意義あるものと考えている.
|