研究課題/領域番号 |
20K09378
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥田 武司 近畿大学, 医学部, 講師 (10340796)
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研究分担者 |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マクロファージ / 転移性脳腫瘍 |
研究実績の概要 |
本年度は当初の計画であった血行性脳転移マウスモデルの脳組織内に分布するマクロファージの解析を行なった。パーコール比重分離法を用いて脳組織内の浸潤細胞を評価し、この細胞群より免疫細胞を分離してフローサイトメトリー法を用いてマクロファージ分画上のB7-H3およびB7-H5発現レベルを確認した。また、転移性脳腫瘍症例の各臨床検体よりM2マクロファージおよび各種免疫担当細胞をセルソーティング法にて単離して、トランスクリプトーム解析を行なっている。現在、こられの研究結果を解析中である。本研究では転移性脳腫瘍における免疫細胞の存在と機能を解析することによって、今後の臨床における転移性脳腫瘍に対する免疫療法の有効性に関する可能性を見出す重要な研究である。これまで脳内マクロファージであるミクログリアに関して、各種脳腫瘍との関連性は報告されている。また、脳腫瘍に対する免疫療法の効果は他臓器と異なる点が多く、未確定と言える。そこで本研究で脳内、脳腫瘍内に分布する免疫細胞をM2マクロファージを中心に解析することによって、脳腫瘍に対する効果的な免疫療法の開発につながる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は世界的コロナ禍の影響のため、予定の研究計画が遅延した。特に肺癌転移性脳腫瘍症例から採取した検体の網羅的サイトカイン解析から各パラメーター寄与度の順位付け、更なる関連分子間の相互関係同定に遅れが生じており、2021年度も研究継続が必要となった。2021年度は研究分担者ともWebでの会議/討論が可能となったため、密に情報共有しながら遅延している研究も並行して遂行していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の主な研究項目は深層学習アルゴリズムを用いた画像解析が中心であるため、コロナ禍の影響は受けにくく、計画を進めることは可能と予測される。2022年度は2021年度同様に継続して深層学習アルゴリズムを用いたハイスループット画像解析を行い、この得られたデータを画像解析プラットホームCu-Cutoを応用してM2マクロファージと各パラメーターとの相関関係を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的コロナ禍の影響のため、当初の研究計画に遅延が生じた。現在、この遅れを取り戻すため、研究分担者ともWebでの会議/討論を可能とするシステムを構築し、密に連絡、情報共有しながら研究を進めている。特に2021年度は深層学習アルゴリズムを用いた画像解析が中心であるためコロナ禍の影響を受けにくく、遅延を取り戻せるものと推測している。
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