くも膜下出血発症の原因疾患の脳動脈瘤を対象として、新規の創薬標的因子の同定を目指すトランスレーショナル研究を実施した。本研究では、網羅的遺伝子発現解析等により創薬標的3種類を同定した。その後、当該遺伝子欠損ラット系統の樹立及び使用や特異的阻害薬を使用した検討を実施し、2種の因子につき新規の病態制御因子であることを明らかとした。並行し、病変の増大や破裂の過程で形成される慢性炎症の微小環境構築の変容の検討を進めた。結果、病変増大の際に集積する特異的マクロファージ分画の同定と、病変破裂過程での慢性炎症下での低酸素環境依存的な血管新生と好中球浸潤の重要性といった新規の病態制御機構を明らかとした。
|