研究課題/領域番号 |
20K09383
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
樋口 佳則 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00456055)
|
研究分担者 |
池上 史郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (10436389) [辞退]
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
山本 達也 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (50375755)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | Postural instability / Parkinson's disease / tDCS |
研究実績の概要 |
本年度は基礎データとしての解析を,コントロールとの比較のため,重心動揺に影響を認めない他疾患の測定値と比較することにより,姿勢反射障害,姿勢異常を来すパーキンソン病から他の神経疾患に広め調査を行った.さらに重心動揺の疾患予後の影響を検討した.さらに経頭蓋刺激の安全性に関する検証を継続し行った. 平衡異常の指標とした重心動揺パラメータsway area (SA), sway velocity (SV)では,聴神経腫瘍,後頭蓋窩腫瘍,平衡異常を伴わない疾患,パーキンソン病,痙性対麻痺で疾患の特徴が認められた.パーキンソン病での重心動揺は,平衡異常を伴わない疾患と比べて開眼時SAは有意に高値であり,前庭神経由来の腫瘍である聴神経腫瘍の症例よりも高値となった.閉眼時SA, SVではその差は,聴神経腫瘍を含める腫瘍性疾患でより,高値を示すようになり,視覚補正がかからない状態では腫瘍性病変がより平衡異常は増悪する結果となった.日常生活で開眼時の重心動揺がパーキンソン病で他の疾患と比較して重度であり,より姿勢反射障害,姿勢異常に対する治療介入が重要であることが示された. 経頭蓋電気刺激の安全性が重要であり,先行する研究により通常行われる最大刺激2 mA,20分の刺激での,皮膚の異常,痙攣発作誘発などの有害事象は生じないことを確認した.乳様突起近傍の装着方法,安定した刺激電極固定法などを検討し,刺激電極の大きさを縮小しより均一な接地面を得られるよう検討した. 足圧中心は姿勢異常を評価するひとつのパラメーターとして行っている. 一方,姿勢の変化を侵襲のない姿勢異常の客観的評価をvideoで行うが,再現性のある定量的評価に課題があった.姿勢保持,歩行時の姿勢を評価するためキネクトを用い,評価ができる様検証を行っている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで得られたデータをもとに,重心動揺の変化の測定条件,videoによる客観的な姿勢異常の改善の評価法を確立する.
|
今後の研究の推進方策 |
経頭蓋刺激により生じる体幹の重心移動・不安定性に関し,評価・測定は,既存の体軸症状の臨床スケール,重心動揺計による軌跡長,軌跡面積,定量的動的姿勢制御解析,ビデオによる客観的評価を行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
論文作成時の英文校正費用として次年度へ繰り越した.
|