研究課題/領域番号 |
20K09384
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大石 誠 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00422593)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | optical imaging / monitoring / flavoprotein |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,フラビン蛍光法を,脳神経外科手術中に「ヒト大脳の機能野の直接可視化,そしてモニタリング法として応用」することである.術中記録シス テ ムの概要は,新潟大学手術部に備え付けの既存のライカ社製OH-4システムに,レーザー照明装置( ミズホ社製 MML-01)が搭載されている.備え付けられている 高感度CCDカメラユニットシステムを使用し,光源側にflavoprotein反応の励起波長を,カメ ラ側に反応の捕捉波長用のフィルター調整を行い,反応の可視化が 可能な状態としている. PC上で既存のソフトウェア上で得られる反応を術 野モニターとfusionし,実際に脳表画像上に神経活動域を可視化できるように,プロ グラム作成をしている. 1) 今回の研究目標の一つ目として,今までの研究ではオフラインで,術後に解析を行い,観測ができていることを確認して来たが,今後は これをオンラインで の解析システムの作成を行い,術中に直接モニターできるようなシステムの確立である. 2) さらに,I) てんかん外科症例における,大脳表面の自発放電の観測:具体的には脳波との同時記録(電極は周囲が半透明であり,この状体での記録が 可能な ことは既に確信を得ている)にて,皮質活動を観測可能か検討.また,オフラインで,てんかん性異常波をもとに加算処理などを行って 反応を観測できるか検 討.II) 感覚刺激に対する誘発反応の記録が可能かどうかの検討.てんかん性皮質と比べると非常に小さな反応であるた め,データの解析に工夫が必要とな る.III) 運動機能,言語機能などに関する活動の,覚醒下手術中における活動域の観側.まず,以上まで を3年間をかけて達成したい内容と考えており,その観 測条件や設備など,現実的な手術支援法として確立することの3つに取り組んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観測機器の設定や解析プログラムの改変は進め,術中観測に適した環境の設定は終了している.実際の症例における観測が,コロナ感染症の 悪化に伴い大幅に遅れてはしまったが,昨年はその中でもデータの収集を可能な限り行った.論文も目的1に対して紙上報告に漕ぎ着けているが,まだ進度としては遅れていると言わざるを得ないところ.
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今後の研究の推進方策 |
すでに症例の蓄積は終了しており,論文も発表された.本来の目的が3つあり,2つ目を現在遂行中である. データ解析を加え,論文発表してゆく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
途中でコロナのために研究の進捗ごストップしてしまい,予定通りに予算を遂行できなかった.このため1年の延長をし,最終的なデータ解析と論文作成を遂行中である.
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