研究課題/領域番号 |
20K09388
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島村 宗尚 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60422317)
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研究分担者 |
中神 啓徳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
林 宏樹 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (20813364)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 部分再開通 / 血液脳関門 |
研究実績の概要 |
本年度は部分再開通モデルの確立を行った。申請時、中大脳動脈の再開通による部分再開通モデルの確立を目指していたが、n数を増やしていくと再開通後短時間で中大脳動脈が完全再開通するマウスや全く再開通しないマウスもあり、FeCl3の濃度、添加時間の調整、総頚動脈の閉塞時間の調整なども試みたが、モデルは不安定であった。そこで、FeCl3濃度と時間を固定しつつ中大脳動脈は永久閉塞とし、総頚動脈閉塞を14分間として、Laser speckle imageでの脳血流を測定したところ、中大脳脈領域周囲部では約30%、中心部では約25%の血流改善を認め、部分再開通に類似した脳血流となり、また、TTC染色での解析では、Laser speckle imageでの部分再開通領域でも脳梗塞が安定してできることが明らかとなった。 本モデルを用いてFITCデキストランを静脈内投与したところ、総頚動脈の解除を行わない永久閉塞モデルとは異なり部分再開通の領域にデキストランが分布しており、安定した部分再開通モデルの作成に成功した。デキストランは脳虚血3時間後では脳内に浸潤しておらず、24時間後に浸潤していた。一方で、IgGの免疫染色では、永久閉塞に比較し、周囲部においてはIgGの血管外漏出が24時間後でも抑制されており、72時間後では血管外に漏出していることが明らかとなった。このことから、部分再開通では血液脳関門が期では保たれるとともに、血液脳関門の破壊が遅延することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたモデルとは異なるものの、安定した部分再開通モデルの作成に成功しており、また、部分再開通における血液脳関門の変化についても明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度は永久閉塞モデルと比較しながら、免疫染色によるBBBの形態変化、ミクログリアの活性化、Fluorojade-C染色、TUNEL染色によるapoptosisの評価、炎症性サイトカインの発言などを解析し、部分再開通の病態進行の機序を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していた中大脳動脈自体の再環流によるモデルは安定性の点から確立が困難であることが判明し、部分再環流モデルとして新たなモデルの構築を行った。その結果、R2年度に予定していた組織解析やmRNAの発現等の解析を行うことができず、R3年度にこれらの解析を行う予定のため、繰越が生じた。
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