研究実績の概要 |
Arterial Spin Labeling (ASL)法で、Delay Alternating with Nutation for Tailored Excitation (DANTE)法とMotion Sensitized Driven Equilibrium (MSDE) 法の2種類の血管信号抑制パルス(vessel suppression: VS)による信号抑制効果を、T1値が約1500msecのフローファントムにて確認した。 MSDE併用ASLではb値を[a] 5.42と [b] 0.27(s / mm2)に設定した。DANTE併用ASLでは、DANTEパルスを背景抑制パルスの直前に印可する場合(DANTE2)は200回DANTEパルスを印可し、フリップアングル(FA)は[c]10度と[d]5度、DANTEパルスを画像収集の直前に印可する場合(DANTE4)は120回DANTEパルスを印可し、FA [e]15度、[f]10度、[g]5度の条件で撮像した。 静止部で従来法との信号強度比はそれぞれ、[a], 0.52; [b], 0.86; [c], 0.88; [d], 0.92; [e], 0.85; [f], 0.87; [g], 0.89であった。フロー部で静止部との信号強度比はそれぞれ、[a], 0.28; [b], 0.42; [c], 0.39; [d], 0.99; [e], 0.26; [f], 0.68; [g], 1.00であった。従ってVSと同等の血管信号抑制をDANTE法で得るためには、DANTE2ではFA12度程度、DANTE4ではFA14度程度であり、各々で信号ノイズ比は0.52、0.88、0.85程度になると見込まれ、DANTE法を使用することで高い信号ノイズ比で血管信号抑制ASL画像が得られる事が確認された。 DANTE2とDANTE4ではラベルパルス終了後に流入するスピンの信号強度に違いが生じと考えられる。従ってボランティアスキャンにて、DANTE2とDANTE4による血管信号抑制ASL画像の違いを確認し、どちらの方法を使用するかを決定する。
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