研究課題/領域番号 |
20K09402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
小野 智憲 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 脳神経外科, 脳神経外科医長 (10393456)
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研究分担者 |
本田 涼子 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 小児科, 医師 (70457555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 髄鞘化 / 大脳白質 / 脳梁 / ミエリン塩基性タンパク / MRI / てんかん |
研究成果の概要 |
ミエリン塩基性タンパク(MBP)は、大脳白質の髄鞘形成に関与する主要なタンパクであり、酵素免疫測定法(ELISA)などの手法によって定量測定できる。本研究は、脳梁離断術を受けたてんかん患者から採取した白質組織内のMBP含有量とMRI拡散テンソルイメージング(DTI)における年齢依存的変化とを相関させた。生後8~267ヵ月の患者を対象とした。MRI-DTI データから脳梁の見かけの拡散係数 (ADC)を計測した。採取した白質組織からELISAを用いてMPB含有量を測定した。最後に、これらのデータを12人の患者間で個別に比較したところ、MPB量とADCの値との間に強い負の相関がみられた。
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自由記述の分野 |
小児神経学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の発達における主要な特徴の1つは髄鞘形成である。MRI は加齢に伴う白質の変化を視覚化し、それは髄鞘化によると説明されているが、ヒトにおける直接的な証拠はなかった。本前向き研究は小規模なパイロット研究ではあるが、MRI-DTI で同定されたヒトの脳梁における成長に伴う信号変化が、大脳白質線維のMBP 含有量の増加と強く相関し、髄鞘形成を表しているという初めての直接的な証拠を提供するものである。これにより、脳発達を可視化する検査としてのMRIの妥当性が示され、今後の診断技術にも貢献できると考える。
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