研究実績の概要 |
安全性が高いとされるmRNA(KLF-4, c-MYC, OCT4, SOX2)のみを利用してヒト線維芽細胞からリプログラミングされたヒトRNA-iPSC(RiPSC)脊髄神経幹細胞の誘導及び3か月以上の長期培養に成功後、ニューロンへの分化培地(N2B27, 300ng/ml cAMP, 0.2mM vitaminC)にて6週培養を行い蛍光免疫染色を行うと、未熟なニューロンマーカーであるDCXのみならず成熟ニューロンのマーカーであるMAP2の発現が確認された。またこれらの脊髄神経幹細胞由来のニューロンは脊髄運動ニューロンのマーカーであるHb9、ISL1/2,抑制系ニューロンのマーカーであるPax2、感覚系ニューロンのマーカーであるBrn3a,Tlx3の発現が確認され脊髄内に存在するさまざまな種類のニューロンへの分化能を有していることが確認された。
免疫不全ラット正常脊髄(第4頚髄レベル) これらのRiPSC由来脊髄神経幹細胞にレンチウイルスを用いてGFPを発現させた。 その後免疫不全ラットの正常脊髄(第4頚髄レベル)に100万個の細胞を栄養因子カクテルと混ぜ移植を行ない、移植2か月後に実験動物を4%PFAで還流固定後移植脊髄を採取し、免疫染色を行った。蛍光免疫染色によりKl6,Nanog等の腫瘍マーカーの発現はなく、腫瘍化していないことが確認された。また移植細胞はニューロンのマーカーであるNenN,DCX,Tuj1を発現しており移植後にRiPSC由来脊髄神経幹細胞がニューロンに分化できることが確認された。
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