研究実績の概要 |
安全性が高いとされるmRNA(KLF-4, c-MYC, OCT4, SOX2)のみを利用してヒト線維芽細胞からリプログラミングされたヒトRNA-iPSC(RiPSC)脊髄神経幹細胞の誘導及び3か月以上の長期培養に成功しさまざまな種類の脊髄ニューロンへの分化能を有していることは確認されさらに免疫不全ラット正常脊髄(第4頚髄レベル)に移植し腫瘍化は認められず、ニューロンへの分化能を有していることが確認された(R3)。 免疫不全ラット損傷脊髄(第4頚髄レベル)にこれらの細胞を移植し(P16)、移植後2か月、4か月に細胞のニューロンへの分化を確認した。その結果、移植細胞は移植後2か月の時点成熟ニューロンのマーカーであるNeuNを発現しており、4か月の時点ではNeuN陽性細胞はさらに成熟した形態に分化しておりニューロンへの分化能を有していることが確認された。さらにGFAP陽性のアストロサイト、NG2陽性のオリゴデンドロサイトへの分化も認められヒトRiPSC由来脊髄神経幹細胞が神経系3系統の細胞に移植後も分化できることが確認された。 免疫染色による定量の結果、ニューロンへ分化した細胞が80%程度であり、ES細胞由来脊髄神経幹細胞(Kumamaru et al 2018 Nat Methods)とほぼ同等の分化を示した。さらに我々が確立した方法で移植ニューロンの識別を行った結果、約30%の移植ニューロンが感覚系ニューロン・約30%の移植ニューロンが運動系ニューロンに分化していることが解明された。
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