• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

骨代謝調節因子による肥満やそれに起因する脂肪肝炎の制御とその病態生理学的役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K09423
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

日野 純  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40260351)

研究分担者 宮里 幹也  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50291183)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード骨代謝調節因子
研究実績の概要

最終年度は、非アルコール性肝疾患 (NASH)モデルでの検討を実施した。これまで、血管内皮細胞特異的CNP過剰発現マウス(Tg)を用い、2種のNASHモデルでの検討を実施したが、今回は、これらよりヒト病態に近いモデルとして知られる、高脂肪、高フルクトース、高コレステロール食によるNASHモデルを用いた。肝臓組織病変に対するTgの作用は、高脂肪食性モデルと比較すると改善効果は弱く、CDAAモデルに近い作用であった為、まず全身性の作用に着目した。具体的には、肝臓組織におけるTgの炎症マーカー(IL-6)発現量の抑制傾向に注目し、血中のIL-6濃度を測定した。しかし、IL-6濃度は、本モデルでは検出感度以下であり、遺伝子型による違いは見いだせなかった。これは、本モデルでのIL-6遺伝子発現増加量が、他の炎症性マーカー(F4/80, MCP-1)と比較して低い事実と一致していた。次に、NASH合併症として注目されている腎障害に対する作用を検討した。まずは、CNPの主要作用である線維化に着目し、線維化の起点となる萎縮部位を調べるとTgでその数が減少しており、CNPの線維化抑制作用が示された。
一方、CNP同様の骨代謝・肥満調節因子であるBMP-3bの作用について本モデルで検討した。昨年度、BMP-3bの脂肪肝炎抑制作用は報告したが、CNPとの関連も含め、そのメカニズムは不明である。本モデルでの肝臓のBMP-3bの発現レベルを調べると、NASHにおいて顕著に増加していた。また、CNP-TgとWt間でのBMP-3b発現量の違いは認められず、肝臓での、CNPとBMP-3b、両骨代謝調節因子の遺伝子発現レベルでの相互作用はなく、それ以外の部分での作用が示唆された。
BMP-3bの検討については、CNPとの関連、前述のNASH由来の腎障害への作用も含め、本モデルを用い、今後詳細な検討が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Transgenic Expression of Bmp3b in Mesenchymal Progenitors Mitigates Age-Related Muscle Mass Loss and Neuromuscular Junction Degeneration2021

    • 著者名/発表者名
      Kurosawa Tamaki、Minato Keitaro、Ikemoto-Uezumi Madoka、Hino Jun、Tsuchida Kunihiro、Uezumi Akiyoshi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 22 ページ: 10246~10246

    • DOI

      10.3390/ijms221910246

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] CNPによる変形性関節症抑制効果の薬理学的作用機序の解明2022

    • 著者名/発表者名
      野澤伊織、長谷川翔一、前原亜美、安宰成、日野純、中川裕介、宮武和正、片桐洋樹、中村智祐、早田匡芳、古賀英之、辻邦和
    • 学会等名
      第34回日本軟骨代謝学会
  • [学会発表] 筋間質の間葉系前駆細胞の老化によるサルコペニアの発症機序2021

    • 著者名/発表者名
      上住 聡芳、上住 円、黒澤 珠希、日野 純、深田 宗一朗、土田 邦博
    • 学会等名
      第64回日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)はモノヨード酢酸によるラット関節炎モデルにおいて遷延痛を緩和する2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川翔一、辻邦和、安宰成、日野純、古賀英之
    • 学会等名
      第36回日本整形外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] ラット関節炎モデルにおけるC型ナトリウム利尿ペプチドの治療的効果の検討2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川翔一、辻邦和、安宰成、日野純、天野祐輔、中川裕介、宮武和正、片桐洋樹、中村智祐、関矢一郎、古賀英之
    • 学会等名
      第14回 日本運動器疼痛学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi