研究課題
これまでの研究で、変形性関節症(OA)患者およびRA患者の手術時に採取した滑膜組織に対し免疫染色にてCD30の発現を検討し、OA患者滑膜に対しRA患者滑膜で、CD30の高発現を認めた。蛍光二重免疫染色で検討すると滑膜組織でCD30は形質細胞、B細胞、滑膜線維芽細胞での発現を認めた。RA患者から採取した滑膜組織から滑膜線維芽細胞(FLS)を培養し、サイトカイン刺激によるCD30の変化をPCR検査およびフローサイトメトリーにて検討した。FLSに対し、リウマチにおける滑膜炎症と類似した状態を惹起するように、TNFα及びIL-1βで刺激すると、PCR検査ではCD30の発現の増加が確認され、フローサイトメトリーではCD90でゲーティングした細胞において、サイトカイン刺激によりCD30陽性率が増加した。結果からサイトカイン刺激により、滑膜繊維芽細胞でのCD30が発現が増加すると思われた。CD30発現細胞をアポトーシスへ誘導することのできる抗CD30抗体薬物複合体であるブレンツキシマブベドチン(BV)をFLSに投与しカスパーゼアッセイを行うと、サイトカン刺激刺激のないものではアポトーシス はほとんど誘導されなかったが、サイトカイン刺激を行なったFLSではアポトーシスを認めた。CD30が発現したFLSにBVが作用し、アポトーシスが誘導されたと考えられた。さらに、リコンビナント IL-6 (10 -30 ng/mL) とリコンビナント TGF-beta 1 (at 1-5 ng/mL)の存在下で、CD3とCD28を刺激し培養することでナイーブCD4+T細胞からTh17細胞を作製する系を立ち上げ、Th17細胞でのCD30発現について解析を進めている。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Inflammation Research
巻: 71 ページ: 215, 226
10.1007/s00011-021-01537-z