研究課題/領域番号 |
20K09445
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
原 綾英 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90509340)
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研究分担者 |
宮本 修 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00253287) [辞退]
刀袮 重信 東京電機大学, 理工学研究科, 特別専任教授 (70211399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 造精機能障害 / 男性不妊症 |
研究実績の概要 |
2020年度は、8週齢のSprague-Dawleyの雄ラットを用い、脊髄損傷モデルを作成し、造精機能障害モデルとしての妥当性を検証した。モデル作成後 day 14 では、精細管によっては精子細胞を認めるが、大多数の精細管では精母細胞のみとなった (early maturation arrest、rat Johnsen’s score 3-5)。day 21、28になると、ごく少数の精母細胞を認めるのみとなり、精巣上体管においては、精子は皆無であった (rat Johnsen’s score <4)。Day 28 以降で造精機能の回復を認めた個体は認められなかった。網羅的タンパク解析では、脊髄損傷モデル作成後 day 3 とsham手術群間で変化のあった spot の質量解析では、タンパクの同定までには至らなかった。以上の結果をもとに、2021年度は、脊髄損傷モデル作成後 day 28 までについて、脊髄損傷モデル作成後の時系列群とsham手術群の全精巣からタンパクを抽出し、2次元電気泳動および銀染色を行い、網羅的にタンパク解析を行った。モデル作成後day 3 とday 21以降では、ほとんど同様な spot が得られた。このことから、脊髄損傷から早い段階で造精機能に通じる精巣内の変化が惹起することが推測された。また、脊髄損傷モデルでは、10kDa付近のスポットが増加し、濃く出現していた。脊髄損傷による精巣内の変化は、タンパク質の分解に起因している可能性が高い。本年度の2次元電気泳動では、脊髄損傷モデル群とsham手術群との間に、新たに10個の変化のある spot を検出した。質量解析により、これらのタンパクを同定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦の影響で、共同研究者との打ち合わせがスムーズにできていない事。また、精巣内精子採取を延期するカップルが多く、脊髄損傷患者カップルも同様で、検体収集が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
若干の遅れはあるものの、candidate タンパクは検出できている。質量解析を早急に行い、あわせて、患者をリクルートする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦中のため、打ち合わせ、学会との経費が計上できていないため 種々の影響で、当初予定した実験計画が遅れているため
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