研究課題/領域番号 |
20K09450
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本郷 道生 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (50375250)
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研究分担者 |
宮腰 尚久 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90302273)
粕川 雄司 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60375285)
石川 慶紀 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (00566151) [辞退]
土江 博幸 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (80513019)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 骨代謝 / 骨強度 / 骨形態計測 |
研究実績の概要 |
目的:本研究で,慢性腎臓病(CKD)モデルラットにおいて,血清学的評価によりCKDのステージを調べ,BMD,骨強度,海綿骨と皮質骨の微細構造の変化を検討することである. 方法:8週齢のWistar系雄性ラットを,0.75%アデニン飼料で飼育し作製したCKDモデルラット(CKD群)と,普通飼料で飼育したShamラット(Sham群)の2群を設定した.血清学的評価として,尿素窒素(BUN),クレアチニン(CRE),カルシウム(Ca),無機リン(IP),血清副甲状腺ホルモン(I-PTH)を測定し,腎組織学的評価として間質に占める線維化面積を測定した.全身骨密度,大腿骨遠位顆部の圧縮試験による骨強度,マイクロCTで大腿骨遠位顆部の骨微細構造関連パラメータを評価した. 結果:血清学的評価では,20週齢のCKD群で,BUN,CRE,IP,I-PTHが有意に上昇したが,Caは正常であった.以上より,本モデルラットはCKD stage IVであり,二次性副甲状腺機能亢進症を伴っていた.腎組織切片では20週齢のCKDラットで尿細管腔の拡大,間質の線維化を認めた.線維化の割合は,CKDラットがshamラットに比べて有意に高く,その割合は時間依存的にCKDラットで有意に増加した.20週齢のCKDラットで,全身および大腿骨のBMDは有意に低下し,大腿骨遠位顆部圧縮試験による破断エネルギー,最大荷重は,CKDラットで有意に低下していた.マイクロCT解析では,皮質骨断面積・皮質骨幅はCKDラットで有意に低下していた. 結論 本研究によりCKDモデルラットは,20週齢でステージIVのCKDを発症し,二次性副甲状腺機能亢進症を呈し,全身のBMD,皮質骨の微細構造,骨強度が低下していた.これらのCKDモデルラットは,CKDに関連する骨粗鬆症やMBDに対するいくつかの治療法の効果を評価するのに適していると思われた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では,予定通り進行し,学会発表及び論文発表を行うことができ,概ね順調に伸展しています.
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータをさらに解析し,まとめてさらなる学会発表,論文投稿を進める方針です.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は終了し,今後学会発表,及び論文投稿費用に充てるため.
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