研究課題
【目的】エテルカルセチド(EC)はSHPTの治療薬だが,骨に対するテリパラチド(TPTD)との併用効果は不明である.本研究ではCKDモデルラットにおいてECとTPTDとの骨への併用効果を検討した.【方法】8週齢雄性Wistarラットにアデニン飼料を4週間与えCKDモデルを作製し,20週齢でCKD群,TPTD群,EC群,Comb群(TPTDとEC併用)の4群に分けた.ECは20週齢から4週間または12週間,TPTDは24週齢から8週間投与した.アデニン飼料を投与しない非CKDコントロール(Cont 群)を設定した.24週齢と32週齢で腰椎と大腿骨の骨密度,大腿骨骨強度(骨幹部3点曲げ試験,顆部圧縮試験),血清Ca,P,BUN,Creを評価した.【結果】24週齢の腰椎と大腿骨の骨密度はCont群と比べCKD群とEC群で有意に低値だった.32週齢の大腿骨骨密度はCKD群と比べTPTD群とComb群で有意に高値だった.24週齢の3点曲げ試験の最大荷重,破断エネルギー,剛性はCont群と比べてCKD群で有意に低値だった.32週齢の3点曲げ試験の破断エネルギーはCKD群,EC群と比べComb群で有意に高く,32週齢の顆部圧縮試験の最大荷重はCKD群,EC群と比べTPTD群とComb群で有意に高値だった.24週齢のEC群のCaはCKD群と比べ有意に低値で,24週齢のCKD群のPはCont群と比べ有意に高値で,CKD群と比べEC群で有意に低値だった.32週齢のCaはCont群と比べEC群とComb群で有意に低値だった.24週齢と32週齢のBUNとCreはCont群と比べ他全群で有意に高値だった. 【結論】CKDモデルラットにおいて,ECとTPTDの併用は血清Caを低下させ,大腿骨の骨密度と骨強度を増加させた.
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