研究課題
本研究は、抗生物質として永年臨床で使用されてきたテトラサイクリン系薬剤の骨代謝への作用機構を明らかにし、骨粗鬆症薬としてリポジショニングすることを目的としている。研究期間内に、[A] テトラサイクリンが骨組織に沈着した状況を模倣した培養基板を作製し、[B] in vitro細胞培養試験により、破骨細胞抑制効果、骨芽細胞への影響を明らかにすることで市販テトラサイクリン系抗生物質のスクリ-ニングを行い、[C] 選定したテトラサイクリン系薬剤について、動物実験を行い、骨代謝への影響、副作用・合併症有無、全身骨格中の薬剤分布、骨質への影響を検討する。本研究の成果より、既存抗生物質薬テトラサイクリンの新しい機能を見出し、低コスト・長期利用可能な骨粗鬆症薬への可能性を示すことが期待される。ひいては、高齢化社会における生活の質に大きく貢献すると考えている。今年度は、上半期に、数種類の市販テトラサイクリン系薬剤が骨組織に沈着した状況を模倣した培養基板の作製および定性分析を行った。その結果、作製した培養基盤の表面は骨組織類似のミネラルであり、表面上に市販テトラサイクリン系薬剤が点在していた。市販テトラサイクリン系薬剤による違いは見られなかった。下半期には、上半期に作製した培養基盤上でヒト初代破骨細胞培養を行った。数種類のテトラサイクリン系薬剤による破骨細胞分化抑制および破骨細胞吸収抑制が認められた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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