研究課題/領域番号 |
20K09462
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕美 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60773380)
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研究分担者 |
谷口 昇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20626866)
永野 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50373139)
篠原 直弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (60869163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | menopause hand / SIRT1 / ホルモン補充療法 |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き、menopause handにおけるSRIT1の機能解析を行うため、menopause hand患者さんの臨床データの蓄積と、臨床検体の採取を行っている。臨床評価のため、手のこわばりの有無、手の疼痛の有無、疼痛関節数、疼痛の程度(Neumerical Rating Scale : NRS)、機能評価としてDisability of the arm, shoulder and hand : DASH、Hand20、握力を測定し、データ化している。 Menopause handで手術となった症例のうち、へバーデン結節の関節滑膜や、手根管症候群における屈筋腱滑膜を採取し、ホルマリン固定パラフィン組織片を作成し臨床検体としている。これら臨床検体を用いてEstorogen receptor : ERα、ERβ、protein-coupled estorogen receptor 1 : GPER1、SIRT1の免疫染色を行い、これらの発現と、臨床症状との関連について検討を進めている。 当院では手術希望のないmenopause handに対しては、ホルモン補充療法Hormone Replacement Therapy:HRTを施行している。Menopause handに対するHRTの有用性を示すために、HRT前後での上記項目(手のこわばりの有無、手の疼痛の有無、疼痛関節数、NRS、DASH、Hand20、握力)を評価したところ、HRT前後においてすべての項目において著明な改善を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
更年期モデルマウスの作成と、マウスにおける低エストロゲン状態におけるSIRT1の機能解析を行う予定であったが、現在鹿児島大学の動物舎が改修工事を行っており動物搬入を制限しているため、いまだ着手できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在データ収集中であるmenopause handの臨床症状と、臨床検体におけるEstorogen receptor : ERα、ERβ、protein-coupled estorogen receptor 1 : GPER1、SIRT1の発現についての検討を進めていく。 また、動物搬入可能となったら、5週齢のICRマウスに卵巣摘除術を行い、更年期モデルマウスを作成し、低エストロゲン状態における滑膜組織でのSIRT1の機能解析を行う。 同時に、menopause handによる疼痛や機能改善に対するHRTの治療効果についてデータ解析を行い、学会発表や論文作成につなげる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的なCOVID19の流行による学会中止に伴い、参加予定であった学会に参加できなかったこと、また動物舎改修工事に伴う実験動物の搬入の遅れに伴いVivo実験が開始できていないことにより次年度使用額が生じた。2022年度は学会再開の動きもあり、積極的に学会での発表や論文作成を行っていきたいと考えている。
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