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2020 年度 実施状況報告書

骨粗鬆症に対する新しい発症機序の解明と新規薬物開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09467
研究機関大分県立看護科学大学

研究代表者

濱中 良志  大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (60274750)

研究分担者 松尾 哲孝  大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
花田 俊勝  大分大学, 医学部, 教授 (10363350)
矢野 博之  大分大学, 全学研究推進機構, 教務職員 (50448552)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード骨分化
研究実績の概要

MC3T3-E1細胞は新生マウス頭蓋冠由来の骨芽細胞であり、分化誘導されると骨の主な構成成分であるコラーゲン繊維とカルシウムとリンからなる骨塩を産生することが知られている。MC3T3-E1細胞をD-MEMとα-MEMの培地でアスコルビン酸とβ-グリセロリン酸存在下で28日間分化誘導させた群に、アザン染色及びアリザリンレッド染色を行い、分化状態の違いを顕微鏡的、肉眼的に観察した。骨基質であるコラーゲン繊維を特異的に染色するアザン染色では、分化誘導前のコントロール群に比べて、D-MEM、α-MEMの両方の培地群において、鮮明な濃い青に染色された膠原繊維が認められた。
次に、骨塩であるカルシウムの沈着を染色するアリザリンレッド染色において、α-MEM培地群では、鮮明な赤色に染色され、石灰化結節も多数確認できた。しかし、D-MEM培地群では、赤色に染色される箇所はなく、石灰化結節は認められなかった。
以上のことから、MC3T3-E1細胞は、α-MEM培地群ではコラーゲン繊維の増加、石灰化が生じる。他方、D-MEM培地群ではコラーゲン繊維は増加するが、石灰化はしないことが判明した。
リアルタイムRT-PCRにおいて、コラーゲン繊維の主成分であるⅠ型コラーゲン及び石灰化の必須タンパク質と考えられているオステオカルシンのmRNA発現量を測定した。Ⅰ型コラーゲンmRNAの発現量は、α-MEM培地群よりD-MEM培地群で有意に増加していた(図3A)。オステオカルシンのmRNAの発現量は、コントロール(分化前)群と比較して、α-MEM培地の方が高値を示し(約19.9倍)有意差が認められた(P<0.05)が、D-MEM培地群では、コントロール群と同程度だった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HSPBは新規タンパク質分解に関わる因子である。HSPBのプロモーター領域にエストロゲン反応領域が存在するので、エストロゲン欠如によるHSPBの低下を期待したが、我々の用いた骨芽細胞では、HSPBの低下を認めなかった。

今後の研究の推進方策

骨粗鬆症の新しい原因を追究するために、骨芽細胞にCRISP/Cas9系を用いて、HSPBのノックアウトを行い、骨分化に新規タンパク分解機序が関与するかを検討する。他方、ビタミンCとβグリセロールの添加による骨芽細胞の分化が、MEM培地では分化するが、D-MEM培地ではみとめないことが判明したので、これらの培地の成分の違いに着目し、骨分化に関与する新しい成分を同定していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの感染拡大の影響で、密にならない実験環境を確保し、結果として今年度の予算を使いきれなかった。今年度に確認することが出来なかった実験を来年度に持ち越して行いたい。

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公開日: 2021-12-27  

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