研究課題/領域番号 |
20K09468
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木村 敦 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20364507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 後縦靭帯骨化症 / マウス / ビタミンK |
研究実績の概要 |
靭帯骨化症のモデル動物であるtwyマウス(生後5週)を以下の3群に分けて機能評価、組織学的評価を行った。1.対照群:通常餌摂取、2.ビタミンK補強群:通常餌に加えてビタミンK2を腹腔内注射(50mg/kg週2回)、3.ビタミンK欠損群:ガンマ線照射によるビタミンK欠損餌投与。生後11週をエンドポイントとし、フットプリント分析による歩行機能評価、採血、3D-CTによる骨化巣の定量化、組織学的分析(HE染色、免疫染色)を行った。フットプリント分析では、歩幅の長さが前肢、後肢ともビタミンK補強群が他の2群よりも優位に長かった。採血結果では、ビタミンK補強群のgla-rich protein(GRP)濃度がビタミンK欠損群よりも有意に高値であった。3D-CT頚椎の骨化巣体積は、ビタミンK補強群が他の2群よりも有意に小さかった。GRPに対する免疫染色では、骨化巣の周辺にGRP陽性の軟骨細胞が多数認められた。群間の比較では、ビタミンK欠損群では骨仮巣が大きいが、周辺に集積するGRP陽性細胞が少ない傾向が確認された。以上の結果は、ビタミンKの摂取量がtwyマウスの骨化巣の増大に影響を与えており、GRPがその媒体として関与していることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文化に必要なデータは一通り得られており、現在投稿準備を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験では仮説通りの結果が得られているため、今後臨床検体を用いた観察研究を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体などの試薬購入が予想より少し少なかったために差額が生じたが、翌年度中にさらなる分子生物学的解析や投稿に関連する費用で使用する予定である。
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