研究課題
2022年度は本研究計画の3年目であり、当初の予定では、MH7A細胞を培養し、TNF-α, IL-6などの炎症性サイトカインの存在下に低濃度の過酸化水素処理を行い、細胞内に活性酸素種を発生させて更なる炎症反応の上昇が見られるかどうかを遺伝子発現、生化学的手法で検証する実験を予定していた。さらに、関節リウマチにおける炎症再燃における活性酸素種の関与を検討するために、MH7A細胞を培養し、過酸化水素の単独処理によって炎症反応の上昇が起こるかどうかを同様の手法を用いて検証する予定であった。しかしながら、昨年度に引き続きコロナ禍で年間を通じて細胞培養器具、試薬の入手が困難な状況に陥り、実験が実施できない状況が続き、研究計画の変更を余儀なくされた。しかしながら、研究期間の中間にあたる2年目に、関節リウマチ患者の血液検体を用いた研究の中で、血中の酸化ストレスマーカーであるROM (reactive oxygen metabolites)が生物学的製剤治療開始後52週の臨床的寛解を予測する有用なバイオマーカーとなることを見出した(Nakajima A, et al. Cureus 2021)。一方、本研究課題に関連する臨床研究の成果は日本整形外科学会、日本リウマチ学会、日本人工関節学会、日本関節病学会、日本リハビリテーション医学会、東日本整形災害外科学会で発表を行った。特に、日本人工関節学会ではパネリスト、東日本整形災害外科学会ではシンポジストとして、人工膝関節置換術における軟部組織バランス・ギャップ・アライメント技術と臨床成績について発表を行った。論文業績は英文2編、和文1編であった。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
Sci Rep
巻: 13 ページ: 979
10.1038/s41598-023-28182-2.
J Orthop Surg Res
巻: 17 ページ: 450
10.1186/s13018-022-03342-8.
関節の外科
巻: 49 ページ: 1-5