研究課題/領域番号 |
20K09473
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山神 良太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00722191)
|
研究分担者 |
千々松 良太 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60803210)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80529040)
寺島 裕也 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (90538729)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 変形性関節症 / 滑膜 / マクロファージ / ケモカイン |
研究実績の概要 |
近年のシングルセル解析からリウマチ滑膜とは異なり変形性関節症の滑膜には主要な免疫細胞としてマクロファージが増加していることが示唆されており、変形性関節症病態の改善にマクロファージを標的とした治療には期待ができる。滑膜に存在する組織マクロファージは関節内の摩耗物の除去など関節のホメオスタシス維持にも重要な働きを担っているため、マクロファージを除去するといったアプローチは危険を含む。我々はマクロファージの制御機構であるケモカインシグナルに着目し、単にマクロファージを除去するのではなく、マクロファージの機能に介入することで変形性関節症病態改善を検証している。 ケモカイン受容体には複数のリガンドが存在すること、さらにケモカイン受容体も複数存在することから、ケモカインシグナル総体を制御する画期的な抗体医薬や阻害剤は未だない。本研究ではケモカイン受容体下流に共通する因子であるシグナル伝達因子であるFRONTに着目し、その阻害剤を用いることでケモカインシグナル全体の制御を試みた。 2020年度の試験から、マウス変形性関節症モデルにおいてFROUNT阻害剤の自由飲水は軟骨の変性を抑制する結果が得らえた。ヒト変形性関節症患者滑膜の病理解析から単球、マクロファージが滑膜組織に内に広範に分布していること、さらにはFROUNT発現細胞が同様の分布で存在していることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験レベルで薬効を確認できたことからFROUNT阻害剤を用いたマクロファージの制御には一定の確証が得られている。現在は薬理作用について深めているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
複数の関節炎/変形性関節症モデルにおいて薬効を確認しつつ、投与方法についても経口、局所投与などを検討する。 ヒト滑膜検体の解析からマクロファージサブセットを同定し、それらのFROUNT発現量およびFROUNT阻害剤の効果を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により
|