研究課題
生体内イメージングを用いた内軟骨骨形成の解明を、(1)生理的状態として成長軟骨(手指)、(2)病的状態の治癒過程として下腿骨の骨折モデル、(3)骨再生過程の評価としてBMP-2を用いた異所性骨化モデルの3つの点から検証を進めている。(1)の成長軟骨部の観察は安定し、今後TdTomatoで蛍光標識した肥大軟骨細胞が骨芽細胞に分化転換する頻度や分化転換後の機能などの解析する手法を検討している。(2)骨折部のイメージングは動物モデル(下腿骨)を用いる系が安定して作成されており、今後はイメージングを行う時期等の検証を進める。(3)異所性骨化モデルは、長時間の生体内イメージングを行うことが可能となる方法を様々な固定具を用いて行い現在、長時間のイメージングデータを定量的に解析する方法を検証中である。また、骨代謝作動薬としてテリパラチドを投与した際に、内軟骨骨化が変化する様子も観察を行っている。加えて異所性骨化モデルでは、single cell解析をVisiumを用いて行い由来の異なる細胞の分布が骨形成に与える影響を解析中である。In vitroの系では、3重標識マウスの骨髄間葉系細胞を用いて軟骨細胞、骨芽細胞、軟骨細胞経由の骨芽細胞をFACSでソーティングを行い軟骨細胞を経由した骨芽細胞と、軟骨細胞を経由せず直接分化した骨芽細胞における機能の違いをRNAseqを用いて網羅的に解析する準備を進めている。現在のところ約1ヵ月の培養によりそれぞれの細胞群が分離回収できることを確認している。新たに、organ cultureの系を大腿骨、脛骨の成長軟骨の観察に使用できる可能性を検討している。
3: やや遅れている
(1)生理的状態として成長軟骨(手指)、(2)病的状態の治癒過程として下腿骨骨折モデル、(3)骨再生過程の評価としてBMP-2誘導異所性骨化の3つの点から検証を進めることができているがそれぞれの系の観察を並行して実施しているためにデータの収集が遅れている。しかしin vivoモデルでの検証は、最終の定量化の段階まで進んでいる。また、in vitroでRNAseqを用いた由来の異なる骨芽細胞の機能解析、異所性骨化モデルを用いたsingle cell解析も並行して進めている。
in vivoでは観察したイメージングデータの画像解析手法を確立し、定量的な評価を行う。またin vitroでは、in vivoでの観察結果を支持するデータをRNAseqによる網羅的な遺伝子発現解析や、異所性骨化モデルでのsingle cell解析を用いて行い、内軟骨骨化のメカニズム解明に資する知見を探索する。
RNAsequence等の高額の解析費用が、次年度に繰り越しとなったため。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
N Am Spine Soc J
巻: 13 ページ: eCollection
10.1016/j.xnsj.2022.100193
脊椎脊髄ジャーナル
巻: 35 ページ: 503-507
10.11477/mf.5002201885
Sci Rep
巻: 12 ページ: 7906
10.1038/s41598-022-12082-y.